兵器である青年と音楽を捨てた少女の、物語

独特の世界観をいつの間にか、納得して読んでいる自分がいました。

もう、タイトルが好き。
面白うございました。
ありがとうございました。

前編のヒリヒリさにほほぅ、と背すじが震えてから、想像だけで後半の展開に耐えられるのか自分、と数ヶ月の間を置いての読了です。

後編は前編に比べ、長く感じたのは場面が固定でシーン数的には少ないせいかもしれません。

文圧に想像力をはたかれる勢いでした。

厳しい現実の軋轢に消化されていく、個人の姿は他人事ではなく映ります。

身に降りかかる苦難のなかで、根性を見せてくれた主人公たちの、戦いに、こんなこと本当にあったら、怖い、と思っていた物語に、胸のすく気持ちを抱きました。

シンプルで静謐な空間に、リアルな手触りのする、けなげでまっすぐな青年と少女が息づく、他にはない魅力を持った作品だと思います。

今頃の感想となりました。これからも、がんばって下さい。

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