あっという間に摩訶不思議な世界へ飲み込まれてしまい、そして、「不思議な世界」の「現実」が、次々と押し寄せてきます。それでも冷静に、ただただ帰ることだけを考える母。4歳の女の子って、一生で一番、フィクションを純粋に信じる年齢だと思うんです。小さい頃よりは難しいことが色々分かって、自分なりの解釈もあって、目の前の非現実をリアルに信じられる、みたいな。どうなっちゃうんだろう、どうなってるんだろう……大きな事件が起きるわけでもないのに常に読者をハラハラさせる、素晴らしい作品でした。