概要
斯くて、地に落とされし竜は天に還らんと欲す
直立した二本の足で歩き、知性ある生き物『二本足』。
その一つである爬虫類種族『竜民』は、自らを天高く舞う竜の末裔だと信じていた。
どうにも人間臭い竜たちが織りなす、架空の航空史です。
その一つである爬虫類種族『竜民』は、自らを天高く舞う竜の末裔だと信じていた。
どうにも人間臭い竜たちが織りなす、架空の航空史です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!技術者たちの美しく哀しい夢
例えばプロジェクトXに見るようなエンジニアたちのひたむきな情熱や、映画『風立ちぬ』の主人公のまっすぐな生き様にたまらない美しさを感じるような人であれば、この物語はうってつけだと言えるだろう。宗教、偏見、国家などの障害を乗り越え、我を通し歴史を変えてきた技術者たちの現実の物語が、ファンタジーを利用することで見事にパッケージングされているからだ。
作品は前編後編に分かれており、前編は精巧な偽史の出版物を読み解くようになっており、ここだけでも十分な面白さがある。簡略化された資料でも、必要な(架空の)引用を怠らない書き手の技量によって、偽りの世界の本物の情景が生き生きと読者の脳内に浮かんでくるのだ。…続きを読む