第27話 最終話 夢の君に恋をした
あれから5年の月日が経った。
彼女の顔は今でも覚えてる。
でも彼女はもう、この世にはいない。
そう自分でも理解できている。
もう彼女はいない。
でもいつまでも俺の心、思い出にはあの時の素朴な君の姿が残ってる。
忘れない。
彼女のことを思い出しながら、一人で校舎の方をぼーっと眺めていると、
遠くから「パパーはやくー!」
という声が聞こえる。
一緒に散歩をしていた妻と娘においてかれていたみたいだ。
娘は少し怒ったように大きい素振りで騒いでいる、
妻は、娘と俺を交互に見ながら小さく笑っていた。
今の俺を愛してくれる人、俺が愛する人がいる。
俺は幸せだ。
この幸せを大事にしていきたい。
あの時、君が夢に現れてくれたこと、
あれが無かったら今の幸せはきっと無かっただろう。
俺を救うために現れたのかはわからない、もう聞くことは出来ない。
けど、たしかに俺は救われた。
君には救われてばかりだった。
俺は君になにかしてあげられていたのかな。
わからないけれど、
1つ、これだけは自信を持って言える。
君を好きになれて良かった。
ありがとう。
ひと夏の恋の夢 〜恋した君は、夢の中〜 もなを @monawo624
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