第9話 メール


さて、帰るか。

帰ったらメール送ってみようかな…。

いや、向こうから来るの待つか。

いや、別にアドレス交換したからってすぐにメールしないといけないルールなんてないしな。


(……思春期の高校生かよ俺は)



家に帰り、お風呂や飯を済ませた後

なんとなく自室でケータイを握りしめてぼーっとしていた。なんとなくだ。



(外もだいぶ暗くなってきたな…。もう部活は終わったかな…。待ちすぎだろ俺)



「アホらし…。ちょっと寝るか」

そう思った矢先、ケータイの着メロがなり、すぐに画面を確認した。


メールを受信しました。


差出人 タケル

「今日お願いしたマンガ明日持ってきてな!絶対忘れんなよ!あと、宿題持って帰るの忘れたから明日朝見せてくれ!頼む!」


ケータイをへし折りたくなった。


(くそ…タケルのやつ。空気読めよまぎらわしいんだよ。)


宛先 タケル

「はいはい。」

メールを送信しました。



俺から送るか…

宛先

「部活お疲れ!アドレスサンキューな!とりあえずせっかくアドレス交換したからメールしてみた!」


(…恥ずかしい。おれって普段どんな感じで接してるっけ)


下書き保存しました。



「くそっ!やめだ!!もうやっぱ寝る!無駄に疲れた!」

そういってケータイをミュートにし、深い眠りについた。



ブ-ブ-ブ-ブ-

メールを受信しました。

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