第8話 交錯する世界
「おはよー!」
歩いて登校しているとうしろから突然女の子に声をかけられた。
誰かと思ったら隣の女子だった。
「おーおはよーいつも元気だなー」
「そういう君はいつも眠そうだね」
やっぱりこの女は俺を少し馬鹿にしているようだ。
そのまましょうもない話をしながら教室に向かった。
教室に入ると、前の席の友達に耳打ちで話しかけられた
「お前ら付き合ってんの?最近仲良くない?」
(何こいつ高校生みたいなことを…いや高校生か)
「んなわけないだろ。アホ」
といいつつもちょっと嬉しかった。
(やっぱこいつと話すと昔を思い出すな…。
昔?何おっさんみたいなことを)
午前の授業が始まり、いつものように適当にノートをとる。
前のやつは完全に寝ている。
隣は眠気に耐えているのか、たまにビクついている。
そこまで眠いなら寝れば良いのに…
ただ、見ていて面白い。
昼休みになり、いつもの弁当を喰う。
いつもの友達は今日は購買にパンを買いに行った。
(あれ?そういえばあいつの名前…)
「ねぇ、今日は1人で食べてるの?」
突然声をかけられてビクっとなった。
「え?!あぁいま…あいつ購買に行ってる。」
あいつ…誰
「なにビクってなってんのww」
「そっちこそ授業中ビクってなってたぞ」
と教えてあげたら軽く肩を殴られた。
午後の授業が始まり
さすがに俺も寝そうだった。
隣の子は俺が指摘したのを気にしているのか
目をぱっちりと開けて必死に眠気に耐えているようだった。
そんな顔を見て少し笑ってしまい、睨まれた
放課後になり、いつものように帰り支度をしていると
また彼女に話しかけられた。
(この時間が俺にとって一番楽しみだ)
彼女はまたいつものようにたわいもない話を始め、話の最後に
「ねぇ、アドレス教えて!」
と言ってきた。
(アドレス?今の時代に?)
と思いつつ俺もケータイを取り出し、アドレス交換をした。
女子のアドレスが増え内心ガッツポーズだった。
「じゃ、私部活行くから!」
といい彼女は去っていった。
彼女の後ろ姿を眺めていると
バッグにバレーボールのキャラクターがついてることに気がついた。
あぁバレー部だったか
それにしても、彼女今時ガラケーか。
…ガラケー?なんだそれ。
ただの携帯電話じゃん。
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