第11話 普通の日常

仕事の準備をした所で今日は休みという事を思い出した。


最近あの夢のせいで曜日感覚がおかしい。

仕事と学生生活を交互にやってるようなもんで、一日の体感時間も少し狂ってるんだろう…たぶん。



それと、夢の方はほとんど覚えてはいないけど、起きたらなんとなく疲れている気がする。

起きたら仕事、夢では勉強。なかなか休む暇がないな。


病院にでも行くべきかと思ったけど、今いったところで

「ただの勘違いですよ。気にすることではありませんよ」

って言われるだけだどうせ。


それに夢で学生生活してて疲れがたまってる気がします。なんて恥ずかしくて言えたもんじゃない。



まぁ、今はまだ平気だし、あの夢もなんだかんだ嫌でもない。むしろ楽しみなところもある。

平凡でつまらない生活を送っていた俺には丁度いい刺激かもしれない。


今を出来るだけポジティブに考えて、楽しもうじゃないか。



さて、せっかくの休日だ。出掛けよう。


…もう少し涼しくなってから。


〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜~〜


「お、安いな。これでいいや。女性用か?まぁシャンプーなんてなんでもいいだろ」


結局、出掛けたはいいものの行くあてもなく、近所のスーパーで日用品と食料をあさっていた。


「社会人になってから友達と遊ぶこともほとんど無くなったな…」

遊ぶのは大型連休くらいで、高校の同級生と遊ぶことが多い。

中学の友達は、県外にいるためなかなか遊べなかった。


悲しいことに、そもそもそんな友達がいたか疑問だけど



帰宅のために電車に乗っていたら、向かいの席から視線を感じ、ちらっと見たらカップルにガン見されていた。


驚いたような顔をした後、何か言いたげだったが、

女の方が男の手を引っ張って足早に電車を降りていった。

少し見覚えのある顔のような気がしたが、知り合いではなかったと思う。



そんなこんなで帰宅し、結局スーパーに出掛けるだけの寂しい休日だったが、家から出ただけマシ。

と、自分に言い聞かせ、買った惣菜をオカズに晩御飯を食べた。



晩御飯を食べたあとは、なんとなくいつもは見ないドラマを見て、

この女優可愛いなー。とか、このドラマ面白いなー。とか、すごく普通の感想を頭に浮かべながら過ごした。



まるで、なにかの予行練習でもしているかのように。

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