第5話 いつもの教室
キーンコーンカーンコーン
はぁ、やっと昼休み、
午後授業は古文からか、ダルイな
とりあえず弁当喰おう
相変わらず母の弁当は茶色い…
まぁ茶色い方が美味しいもの多いしな
変にいろどり考えられて野菜ばっかとかになっても嫌だし
それに、弁当の中身を気にするような歳でもない
目の前には男友達がこっちをむいて飯を食いながら俺に話しかけている。
「昨日のドラマみたかー?やっぱあの女優かわいいよなぁ~」
この席になってからはいつもこんな感じ
隣では女子が楽しそうに友達と会話しながら
綺麗な見た目の弁当を食べている。
あの量で足りるのだろうか
また、なぜかこの女子を眺めてしまって
目が合いすぐに目を逸らした。
友達にその事をからかわれて
「はぁ?別になんでもねーし!」
と顔を赤くしながら中学生男子のような必死な反応をしてしまう
女子にもくすりと笑われ
恥ずかしくて友達を殴りたかった。
弁当を食べ終わり
俺と友達はいつものように体育館へバスケをしに
隣の女子は…いつもどこに行ってるんだろう
もう姿は見当たらなかった。
授業が始まり、また退屈な時間が始まる
ただこの退屈な時間も、なぜだか俺には心地よく感じてしまう
カーテンがヒラヒラと舞っている様子
カラフルなチョークで書かれた黒板の字
前の席のやつの後頭部
眠そうな隣の女子
毎日見ているはずなのに
見飽きている光景のはずなのに
ひどく懐かしく感じる。
一日の授業が終わり
俺は帰る準備をしていた
ただ、なぜだかなかなか帰らない
「まだ帰らないの?」
彼女に話しかけられるまで、俺は動けなかった。
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