第4話 システマフィーリングカップル№01。
システマの練習が始まった。
まず、2人の講師がシステマのお手本を見せた。
この講師はそれぞれが男女1人ずつで男性が同性愛に走らせない工作を練っていると俺は感じた。
最も、同性愛を避ける為の男同士を接触させない…。
それがこの期間の決まりだと俺は思っているから決して珍しい事ではないだろうが。
そう感じた俺はこれからサーヘルと共にシステマの練習をした。
「ミカエル君。システマは女性でも簡単に出来る武術なんだよ。」
勿論、システマは強い男性でも技術面で劣れば女性でも勝てる格闘技だ。
ロシアはもともと、球技より格闘技の方が盛んな国で、柔道、ボクシング、プロレス、ムエタイなどの武術系はこの国では得意としている。
だから俺は、技術面で向上すればこの訓練も決して苦ではないだろうと感じた。
「では、行くよ。ミカエル君。」
「あぁ、かかってこい。」
俺は、システマを使う時は力で攻めるのでなく、相手の弱点を責めるように狙った。
無論、システマは女性でも簡単に勝てる競技の為、基本的には男女混合だ。
故に…、
「サーヘルさん。貴公の腕を抑えるよ。」
「ほう、ミカエル君。アンタ、結構な実力を持っているんだね。でも、私に勝てると思うなよ。」
「どういう事だ…。」
俺は、彼女がシステマの事を熟知している事を既に分かっていた。
何故なら、システマは呼吸を含めて相手の弱い部分を攻撃する護身術だからだ。
「なら、ミカエル君。私はこれでアンタを倒して見せる。」
俺は、この時気づかなかったが、彼女はシステマを学んだ影響で護身術を覚えていた。
「それは、アンタのお腹に私のお尻を強く当てて、手のひらで鎖骨に向けて攻撃すれば良いだけだよ。」
俺はシステマの奥深さを理解していなかった。
大学時代、医学部で学んだ俺はシステマが護身術である事を学び、ある程度の知識を持っていた俺だったが、これがシステマの護身術と考えると意外と侮れないと恐れ入った。
「痛っ!?」
左鎖骨から妙な激痛が走った俺は、このシステマが諜報機関『ФСБ』やイスラエルの『モサド』で役立っていると感じた事を改めて思い知り、ここでサーヘルに負けないと感じた。
「どう、これがシステマの奥深さ、相手の弱点を効率良く狙う為に気を集中させ、力を身体の一部に集中させた後、相手を落とす護身術だ。」
勿論、俺は彼女が正論を言っていると感じた。
でもな、俺だってシステマを十分習ってんだ。だから、サーヘルの弱点をどこなのか解っている。
勿論…、
「そこだ。」
俺は、サーヘルの胃の部分を狙って平手で押して彼女を突き落とした。
そして、
「あとは腕を抑えて、決着するだけ…。」
俺はこの勝負で勝つと思っていた。
だが、
「甘い。私もシステマをやっている。だから私の腕を使えば、」
サーヘルが突如俺の首を絞めるかのように俺が有利に立っていたものが、途端に敗北へ向かっていたのだった。
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