第20話 ゲイが女性を差別する理由。

俺と美奈は任務を終えて寮に帰ろうとしていた。


「ミカエル君。アンタのお陰でゲイの犯罪者が2名逮捕された。しかも意識は殆どない事から万が一、起きた場合は更に苦しみを味わる事になるのは避けられないからな。」


「当然。奴らは俺の姉ちゃんの心を気付けた外道だから救う必要性など存在しない。国際機関はどういう訳か子持ちの異性夫婦を保護する事を軽視し、同性婚に関する権利ばかり与えている。」


「ミカエル君。国際機関がゲイを推進し、子持ち異性夫婦を軽視する奴は確かにいかれている。恐らく、奴らはチャドルなども人権侵害の道具として使って来るだろうな。」


「チャドルを取り上げるなんて酷い。奴らは男同士の同性愛ばかり推進して裏で女性を罵倒する輩だろうな。姉ちゃんも国際機関で働いていたが、あいつらに襲われた挙句、国際機関から解雇された。」


俺は姉ちゃんが国際機関の職員として働いていたのに、ゲイに襲われた挙句、国連から簡単に解雇される事が非常に許せなかった。

奴らは表向き、ブラック労働を是正したり、国の状態を良くするとか言っているが、実態は同性愛を批判する奴らを迫害し、ブラック労働を組織内で強いらせ、国連式ブラック労働を進めさせる機関なのは事実だ。

故に、俺の姉ちゃんが奴らに精神的な傷を負った事を思い出した俺はサーヘルに…。


「サーヘル。俺の姉ちゃんの心は国連に殺されたんだ。」


「国連ってあの中東を差別する団体がミカエル君の姉さんを追い詰めたの。」


「そうだ。同性愛者を救おうとしたのに逆に殺されかけた…。挙句の果てに国連から解雇された事で姉ちゃんは自殺未遂まで追い込まれたんだ。」


「自殺未遂・だ・と…。」


俺はサーヘルに姉ちゃんが自殺未遂を行った事を語ると急に目から涙が溢れると同時に憎しみが込み始め…、


「あぁ、あいつらが、あいつらが俺の姉ちゃんを殺したんだよ。あいつらが同性愛を擁護しなければ、もっと、ハァ。」


俺は苦しくなりながらもこの事に関してはサーヘルさんに話せねばならぬと思い、更に話を続けた。


「ミカエル君。大丈夫?」


「あぁ、大丈夫だ。少し、冷静さを失っていただけだ。」


「…!?」


彼女の前でこんな怒りを見せて本当に良かったのか分からなかったが、それでも俺は冷静に考えて話を続けなければならなかった。

しかし、話せば話すほど、ゲイが女性を差別し、国連が奴らを擁護する事に苛立った俺は。


「俺は、姉ちゃんが自殺未遂を起こさなければ何事もなく医師を目指していた。だが…、」


俺は冷静さを失っている事に気付きながらもこれだけは言っておきたかった。


「姉ちゃんが国連や男性同性愛者に殺された事で俺は国連の進める事に疑いの目を持ったし、男性同性愛者が姉ちゃんを追い詰めなければここまで悪くなることはなかった。」


「ミカエル。お前、凄く泣いているけど大丈夫か?」


俺はサーヘルに真実を出し切った為、大きく泣き始め、彼女の胸で泣きまくった。


「ミカエル。アンタのゲイ嫌いは男女平等や公平に反している事を打ち明けたいから私に話したんだな。」


泣入れている俺をサーヘルが優しく抱きしめ、俺は落ち着くまで泣きまくった。

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