第10話 Секлет в Любовь. (秘密の恋愛。)02

「ミカエル。互いに覚悟しよう。」


「あぁ、俺も貴様とキスする決意を覚悟した。」


 俺達はこれから互いにキスをしてどれだけ適合した相手なのか試したかった。

 勿論、口同士のキスだけでなくタマナのお臍をキスしたり、髪を手入れする事は俺にとっては凄くやりたい事だ。

 それでもここでキスする事は何よりも優先したかった。



 ブチュッ。



 俺は今、こいつとキスをしたんだな。

 そして、このキスの味を忘れる事が出来なかった。

 女性の口から出るキスは野郎同士ゲイのキスに比べて凄く温かくて愛情が凄く詰まっている。

 俺は男同士のキス現場を見たがとても愛情を感じられずにただ、肉体的な関係しか繋がっていない事に不快さを感じていた。

 勿論、俺が家に帰ろうとして女性の身体についての医学の知識を勉強していた頃の話だ。

 奴ら《ゲイ》は不特定多数の人間とああいう行為をするのはよくわかっている。だが、奴らはそれ以外に生きがいがない事が多く、加えてそれに纏わる病気も非常に多い。

 故に、彼らの恋愛には愛情を感じず、自分の性欲だけで動いていたので非常に気持ち悪かった。



 故に俺はタマナのキスをして凄く不快さがなくなり安心できるキスだった。

 別に初めてではない。

 高校時代にも医大生時代にも女性とキスした事がある。

 ただ、いずれも本気ではなく共に医学知識を勉強する仲間だったに過ぎない。

 しかし、タマナみたいに本気で俺とキスした時、これまでの女性とのキスとは明らかに雰囲気が違った。

 彼女もАГМБの職員であり、社会的に重要な地位を求める為にここに雇われた。

 だからこそ、誰かと結婚してロシアでの社会的地位を上げようと思っていただろう。

 勿論、АГМБの特性上、志願制を行わずリクルーターからの拒否は原則的に禁止されている。

 そんな中でタマナが俺の事を本気で好きになってくれた事に感謝しても良いと感じてしまった。



「終わったよ。ミカエル君。」


「タマナ。これで俺達は誰にも見つからずにキスを出来たようだな。」


「うん、周りには誰にもいなかったし、АГМБの寮に帰ろう。」


 俺は誰にもタマナとのキスを見られている様子がなかったため、これから寮に戻る事を決意した。



 そして寮に戻ってから…、


「ミカエル君。タマナ。あんたたちの帰りを待っていたよ。」


「未奈。貴様も俺達の帰りを待っていたのか?」


 未奈が俺の帰りを待っていた事に少しだけ安心出来た。


「うん、ミカエル君。これから私の髪を洗ってくれない?」


「美奈。俺がどうして貴様の髪を洗う必要が。」


 俺は未奈の髪を洗う必要がどうしてあるのかわけわからなかった。

 別に髪を洗うならサーヘルやタマナに洗ってもらえればそれでよいと思ったのにな。

 けど、断ると怖いから…、


「うん、分かった。俺はこれから貴様達の髪を洗うよ。」


「ありがとう。ミカエル君。これから貸切風呂に向かうから待ってね。」


 って、何で貸切風呂なんだよ。

 っと俺は思った。

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