概要
遠い未来。全球凍結の時代に、機械の肢体と心臓を持つ王がいた。
過去の出来事がきっかけで大怪我を負ったラック=アルバークは、ある日一体のアンドロイドと出会った。機能を失いかけている心臓を直す術があるのだという。資源の枯渇で滅亡の危機にあった故郷を救うべく、自分の延命をはかるべく、果てしない雪原へと漕ぎ出していく。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!極寒の雪球と化した地球、氷と滅びの時代に人々は生きていた
小気味よい、そして格好いい!
キサラギ氏の(いい意味で)乾いた文体が遺憾なく発揮され、スノーボールアースにおけるポストアポカリプスという題材を成立させています。
しかし、ドライなばかりではなく、キャラにも機械にもどこか愛嬌が感じられるのです。滅びの世界を生きる人々の独特な感性、たくましさ。この時代にあっても凍るまいとする人間の熱量が、文面を通して活き活きと伝わって来るのが見事ですね。
ロボ好きとしては、スキー板を履いたロボット〈スライダー〉にも注目せざるを得ません。
そう来たか…! と言いたくなってしまうくらいに明快な発想ですが、それ故に面白い。
決して現実離れした存在ではないメカがメイ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!白の世界を駆ける少年と少女とアンドロイド、そしてロボット。
辺り一面、雪に囲まれた世界。ある村には王子と呼ばれるラックがいた。
そのラックですが、崖に落ちてアンドロイド『ニューク』と死闘を繰り広げて、何故か友情が芽生えてしまったのです。その辺が何とも男らしいというか暑苦しい何かが感じて、思わず笑みが零れてしまいました。
それである理由で、古代の都市に行くラック達。その旅で使用するのはスライダー『シャマシュ』。
スライダーとは雪の世界を駆ける為のロボットらしい。脚部にスキー板が付いている辺りが、雪の世界に対応していると同時に、このスライダーのユニークさを表現していると思います。
旅の途中に待ち受ける幾多の困難。果たしてラック達は古代の都市に辿り着け…続きを読む