「大晦日」

思（おも）い出が多（おお）すぎて前が見（み）えません卒業（そつぎょう）しても変（か）わらずにいて

重（おも）き荷を負（お）ひて歩めば道（みち）遠しそろそろ除夜の鐘（かね）が鳴るらむ

弟月（おとうづき）置（お）く霜踏めば水鳥（みずどり）の空（そら）に飛び立ち彼方（かなた）へと消ゆ

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「正月」

東雲（しののめ）の夜（よ）の明けゆけば麗（うるわ）しき楽（がく）の音のごと鶴（つる）鳴き渡る

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「鏡餅」

帰（かえ）りゆく雁（がん）を遥かに見（み）送れば萌（も）え出づる春千々（ちぢ）に花咲く

　　　　　　◇

「お年玉」

鴛鴦（おしどり）のともに浮世の白波（しらなみ）に代（だい）を重ねて孫（まご）の代まで

　　　　　　◇

沓冠「明けましておめでとう」（沓は後ろから）

雨模様（あめもよう）今朝（けさ）は二度寝と窓（まど）も見で幸（しあわ）せな夢（ゆめ）、天使（てんし）の寝顔（ねがお）

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