竹富島

竹富島

君とゆく竹富島の昼下がりブーゲンビリヤ鮮やかに咲く



昼下がり歩くは観光客のみか水牛たちは午睡のさなか



見晴るかす赤瓦屋根丘の上の塔はわずかに空に近づく



壇ノ浦から此処までは幾海里平家落人伝説の丘



スンマシャー過ぎればそこは村の果て墓地の傍ら南国の花



海辺にてニライカナイを語る君「真昼の遠き岸辺」のように



引潮の薄い水底ひるがえる小魚の影エメラルドブルー



銛を手に去りゆく背中浅瀬へと一人息子を亡くした父は



桟橋を漕ぎ出すだろう死者たちは西の表を越えていくのだ



これもまた珊瑚と君の手の中で打ち鳴らされるふたつの骸



星砂の浜の夕暮れアンニュイに猫は木陰で寝そべっており



砂浜にかがむ少女ら一心に探す星砂幸福の砂

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