安置所の名簿に未だ名をみとむ「4ヶ月」児に遺族はありや



透明なママは嫌だと紙面から幼子が泣く声が聞こへる



   ‐4月7日、余震‐

暖房のなき夜を過ぐすいやおひとうづきのはざま春は来たれり



ぬる北上川きたかみがはの橋の名と通行止めをラヂオ読み上ぐ



   ‐4月11日14時46分‐

書類へと没頭しつつ顔上ぐれば既に黙祷の刻は過ぎをり



都心より被災学生へ寄付募る手紙が届くここは陸奥みちのく

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【短歌集】ゆうしゃのぼうけん 卯月 @auduki

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