海へ還る

願わくば白い砂浜八月の真昼のひかり海のざわめき



壊される校舎を悼む 飛び降りを選ばなかった本館八階



ともだちとペアになってと先生が あら――――さんまたひとりなの



空に乞う 一人でそんなに澄まないで 手を伸ばしても届かなくなる



級友は一つの部屋にいたけれど顔も覚えていないトモダチ



チャリンコは少女の頃に置いてきた海へ向かって走った道に



ここでないどこかへ逃げたその場所にわたしがいたら ほら元通り



噴水の前でただただ立ち尽くし十七歳は音に溺れる



アイムファインセンキューなわけないのにね馬鹿な質問しないで先生



還るなら海がいいから楽園はヘヴンではなくアヴァロンであれ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る