対の王とさだめの華

12の神聖な花が世界全土を守護統治する世界、その花の依り代として選ばれた者は誰もが少なからず憧れうる「魔法」という力を花から与えられた。
女性ならば『魔法聖女』。
男性ならば『魔法勇者』。
世代交代を繰り返しながら、花に選ばれた12人の者達は「神様に選ばれた存在」とされ、人々から称賛、崇拝、憧憬の対象として、世界の中枢に鎮座している。

遠き太古の昔より、【扶桑】という存在が世界に語り継がれている。
神聖なる花を全て喰らい尽くし、世界の終焉と新たな世の始まりを紡ぐと伝えられる存在。
歴史上において2人の【扶桑】の存在が確認されており、この2人の【扶桑】が存在した時代はどちらも歴史上の転換期とされ、混迷を極めている。
この2名の【扶桑】はどちらも自身のことを≪箒木≫だと語っていたと記されている…続きを読む