対の王とさだめの華

第1話 人物設定①

エルローズ・伝承でんしょう・ベルニア・・・主人公。女。十八歳。銀髪に菫色の瞳。ウェーブをほぐしながら、毛先を無造作に動かしたボブスタイルの髪型にしんなりとした艶を纏った細かい絹糸のようなサラサラの髪質。化粧など全く必要としない滑らかな白い肌、描いた様な美しい柳眉。すっと通った鼻筋にふっくらした紅い唇、瞬きする度に音が聞こえるのではないかという程の長い睫。穏やかさを纏った繊細で端正な容貌、身長は百五十三ほど。身長の低さと童顔故に、歳相応に見られた試しはないが、女性らしい肢体にキチンと育っている。どことなく何もかもを悟ったような雰囲気と他者の中に侵食するような存在感を持っている。

【扶桑】と呼ばれる伝説上の存在。正式名称【帚木】の【母性】を象徴と加護している。神聖な花に選ばれた勇者と聖女、その依り代となる花奴隷を加護している花の匂いで見分けることが出来る。力に目覚めたのは極最近の為、自身の能力をイマイチ把握しきれていない。物心がついた頃から、どんなに凶暴な動物でも懐いてくる不思議な性質を持つ。見た目に反してとてつもない大食漢。愛称はエルシャ。



リュシーナ・伝承・ベルニア・・・女。三十九歳。鈍色の髪に菫色の瞳。肩より少し下まである髪を髪留めで頭の後ろに纏めており、艶のある白い肌と優しく和む目元。穏やかで涼しげな雰囲気を纏っているが、瞳には強いほどの生命力を湛えている。「イイ女」とよく表現される。一児の母親とは思えない美魔女。

エルローズの母親。良妻賢母であるが、娘に呆れられるほどの万年新婚夫婦。エルローズが【帚木】としての運命を背負う存在として生まれながらも、娘の幸せを願い、夫と共に辺境の田舎に移り住む。いずれくる運命の為に、万全の準備はしていた。現在は夫と共に世界側の中枢に軟禁されている。



カハール・伝承・ベルニア・・・男。四十二歳。銀色の髪に山鳩色の瞳。潤いのある柔らかな髪に曲線を描いた目に口元。痩せているが筋肉はしっかりとついており、精悍な面ざしを湛えている整った顔立ち。常に優しげな表情を滲ませているが、比例して気に入らないことがあると表情は近寄りがたいほどの恐ろしさになる。穏やかさと静かな暖かさを湛えた瞳に前髪とえりあしの部分にストレート感を出したメンズの髪型。歳相応に見られないほど若々しい。

エルローズの父親。真面目で家庭的な良き大黒柱であるが、娘に呆れられるほどの万年新婚夫婦。エルローズが【帚木】としての運命を背負う存在として生まれながらも、娘の幸せを願い、妻と共に辺境の田舎に移り住む。いずれくる運命の為に、万全の準備はしていた。現在は妻と共に世界側の中枢に軟禁されている。



ナコ・・・雌。?歳(年齢は数えたことがない)。ウサギのような姿形をしている。全身朱色で瞳は群青色。掌サイズ。

歴代の【帚木】の【母性】に仕える神獣。舌足ずな喋り方をするが、神話の時代から生きている為、聡明で見識が広い。甘えん坊で寂しがり屋。歴代の【母性】の最後をずっと看取ってきた。エルローズの頭の上に飛び乗ることが最近のお気に入り。いつもはエルローズが持ち歩いているコンパクトの中に住んでいる。



クリフト・都築つつい・マリア・・・男。九歳。ガンメタルグレイ色の髪に代赭色の瞳。潤いのある枝毛などの全くない前下がりのボブに厚めの前髪をポイントにした髪型で目がとても大きいが、そのことを違和感なく受け入れられるほどの美麗な顔形。長く縁取りが美しい睫毛は幼い雰囲気故にあまり目立たない。

【花奴隷】の一人であり、依り代の花はトリカブト、身代わりの花は木蓮。年齢にそぐわないほどの礼儀正しい少年。後方支援型の花の身代わりの為、偶に体調不良を起こす程度に留まっている。五歳の時に自分の運命を知り、どちら側の【帚木】について行くか、を自身で選択する。ブレスに多大な恩義を感じており、テオを姉同前に慕う。



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