into the rain

ヘルスや万引、ドラッグ、刺青などの表世界の一歩裏通りを歩いているような。
そこに生きてるティーンエイジャーよりも少し大人になった、でもまだ若い子たちと夜通し遊んで過ごしているような。

そんな雰囲気が心地よかったです。

ドラッグなどの描写もリアルで、シリアスでもあり、でもそこに主人公たちの強かさに逞しさも感じました。

ドロップアウトした若者たちを、赤裸々に描いた物語です。
舞台は名古屋の街。
セックス、ドラッグ、万引き、タトゥ、ファッションなどが散りばめられた、一般的には日陰の世界で生きる姿を淡々と語っています。

ラノベファンタジーなどをお好きなかたには、面喰らうほどリアルな描写ですが、文章さばきや会話シーンなどとても勉強になると思います。いや、そんなかたぐるしい作品ではないのですけど。

ラストシーンは思わずジーンとなります。
ぜひとも一読していただきたい極上の物語です。

もし、自分の愛する人が薬物に手を出してしまっていたら。想像しながら読ませていただくと、とてつもなく切なくなりました。愛している人こそ、健康で、元気で居て欲しい。幸せであってほしい。自分も含めて、しっかりと、地に足をつけなくてはと思わされました。

非常にリアルでアングラでサブカルで生々しく、だからこそ美しいストーリーだと思います。オジロ(笑)スケボーも大体わかりますよ、やってましたから。下手ですが。名古屋、1回だけ行った事あるんですよ、地元を愛していて素晴らしいです。内容についてはあえて触れません、そのへんの「常備薬」より「超リアル」な噛めば噛むほど「コーヒーガム」より味わい深い作品。私小説のような骨子もあります。長編で読みたいですね。ぜひご一読下さい。オススメです。

路地裏を覗き見るかのような感じで読ませていただきました。
同じ時間の違う場所、少し日当たりの悪い場所、誰も記憶に留めない風景を一瞬切り取った感じがした。
本当に良かった。
良い作品だと思う。

お店、夜の世界観、登場人物の設定がしっかりしていてリアルさを感じた。
常連客についても少し触れているのが良かった。
文章の感じがなんとなく池袋ウエストゲートパークを思い出させた。
その時の情景、感情が感じられてとてもいいのだけど、章ごとのブツ切り感が否めなかった。
ストーリーがもう少し掘り下げられて、それぞれのキャラクターがどこからどこに進んでいって、全体が一つのお話として連結して読めたらもっといいのになと思いました。

現代に疲れ切った大人たちの、癒しと救いを求める物語。

デリヘル、ドラッグ、セックス。
バイオレンスがないのは、作者様が女性ゆえでしょうか。
完全に大人向けの一般書籍ですが、描写は飽くまで淡々としており、苦手な人でも嫌悪感を抱かずに読める文体になっています。

そんな中、途中でバイクのうんちくを語る場面だけ妙に饒舌になるのですが(笑)、まぁそこはご趣味なのでしょう。
水商売は賤業と言われますが、ヨゴレにはヨゴレの生き様があり、確かに人が息づいている。
そんな夜の街に一筋の光を照らした作品です。

登場人物たちは夜の住人である。どこか疲れながらも刹那の安息を求める男と女の交差。
乾いた感情と潤いの本音が攻守ところを変えてたゆたう。
この一線超えた男女たちの行方を見届けたい。

追記
完結したとのことで続きを読んだ。
正直に言うと、なぜ自分がこの物語から目が離せなくなったのか、自分の中で明快な解答がなかった。ただただ、何かの拍子で出会って、惹かれたとしか言いようがなかった。
これも夜を生きる彼女、彼らと似てはいまいか。

そして、今回最後まで進んで、この物語は自分が自分であるため、を綴る物語であったと
理解し、腑に落ちた。
最後の行で読み手をその境地に至らしめる筆致に敬意。

夜の世界を舞台にした小説を発見して少し、テンションが上がってしまいました。
僕は17歳から25歳までずっとホストをしてました。
リアルの夜の世界を知ってるので、すぐに小説の世界観が伝わってきました。
バンスとか久しぶりに聞いて、なぜかちょっと笑ってしまいました。
夜の世界を知らない方にも是非読んでいただきたいです。

水商売や刺青、またタグを見ると薬物など、アンダーグラウンド的な香りのする物語。
まだ連載中の分までしか読んでいませんが、風俗嬢と客との垣根をどう越えていくのか、気になるところです。
登場人物の説明があるともうちょっと分かりやすいのかなとも思いましたが、敢えてそうやって表現しているともとれます。
実際の名古屋の街を舞台にしていて、地名も登場しており、リアルな内容だと思います。
今後の展開を楽しみにしています。