よろづ、はこび〼

ここは、よろず屋「乾坤一擲」。

この店には変な決まりが1つだけある。

〈よろづ、はこび〼〉

この貼り紙を、決してはがしてはいけない。

女店主である環は紅い単車を駆って、
人間の手では運べないさまざまな届け物を、嫌々運ぶ

運んだ先で巻き起こるのは、阿鼻叫喚の地獄なのか、
哀切累々の物語なのか。

人の情と恨み、恋切、心残り、愛惜、悔恨、思慕、後悔……。

受け取るにはあまりにも重たい気持ちを
環は無事に届けることができるのか。


あなたも、届けたいものがあるなら、乾坤一擲にいらっしゃい。