概要
捨てられたものは、やはり捨てられたものなのだ。
田舎町に住む少年、行峰義堂は一年前に親友を連れ去った怪人物、『リサイクル』の行方を追い続けていた。そして行峰は入学した高校で清楚な少女、返崎鈴音と出会う。返崎の意味深な言動に振り回される行峰の前に、再び『リサイクル』が現れるが……
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!少年の視点、少女の視点、両者が交叉する時、不思議な物語は全容が見える
一年前に怪人リサイクル(仮称)に「親友」を奪われた記憶を持つ行峰義堂。高校に入学した彼は、清楚で従順な美少女・返崎鈴音に出会い、彼女に過剰なまでの奉仕を受けつつ意味不明な言葉も投げかけられる。さらに彼女と二人でいる時に怪人リサイクルも現れるようになった。
少し我の強い天青素子。周囲と衝突することが多く、楚々とした返崎教諭に諭される彼女だが、他校へ出向いた際に出会った斉藤という少年の言葉に心惹かれ、彼と親しくなっていく。
一見関係のない二つのストーリーが交互に進み、やがて意味が明らかになるタイプの物語(商業出版で言えば、バリンジャー『歯と爪』(創元推理文庫)など)。義堂側では鈴音が痛々しくも…続きを読む