第2幕 少年は、強さを知る -プロローグ-
「今日は何しようかな~」
鼻歌を歌いながら、階段を上がっていく。
古い、鉄の扉を開けると、耳が痛い音が響いた。
心地よい風が流れ込んでくる。
外は、快晴だった。
「おーい。来てやったぞ」
屋上の手すりに寄りかかり、景色を眺める友人に声をかけた。
「どうしたんだよ? こんな所に呼び出して。日向ぼっこか? それも悪くないけどよ」
いつものように話しかけながら、近づいていく。
「……悪いな。わざわざ来てもらって」
「うん? 別にいいけどよ」
なぜ謝るのかはわからなかったが、普通に友人の隣に並んだ。
「……実は、話したいことがあって」
「話? 何? 悩み相談か?」
運動場で部活をしている生徒達を眺めながら、適当に返事をする。
友人の声が、何だか緊張していることには気がつかなかった。
「あの……さ……」
そして、友人から放たれた言葉に、我が耳を疑った――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます