第2幕 少年は、強さを知る -プロローグ-

「今日は何しようかな~」

 鼻歌を歌いながら、階段を上がっていく。

 古い、鉄の扉を開けると、耳が痛い音が響いた。

 心地よい風が流れ込んでくる。

 外は、快晴だった。

「おーい。来てやったぞ」

 屋上の手すりに寄りかかり、景色を眺める友人に声をかけた。

「どうしたんだよ? こんな所に呼び出して。日向ぼっこか? それも悪くないけどよ」

 いつものように話しかけながら、近づいていく。

「……悪いな。わざわざ来てもらって」

「うん? 別にいいけどよ」

 なぜ謝るのかはわからなかったが、普通に友人の隣に並んだ。

「……実は、話したいことがあって」

「話? 何? 悩み相談か?」

 運動場で部活をしている生徒達を眺めながら、適当に返事をする。

 友人の声が、何だか緊張していることには気がつかなかった。

「あの……さ……」

 そして、友人から放たれた言葉に、我が耳を疑った――。

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