第2幕 少年は、強さを知る -エピローグ-

 周囲の景色も、マスコットたちの姿も元に戻ったところで、そのまま自然と作戦会議になった。

「あいつ……俺のフルネームを知ってた……」

別れ際。

確かにあの青いやつは俺の名を言った。

聞き間違えなどではない。

俺の名だ。

「そういやそうだったな……。どこで知ったんだろう? 名乗ったっけ?」

 ウッシーが首をかしげている。

 名乗ってたら悩まないっつーの。

「知り合い……とかではないっすよね?」

「さすがにそれだったら覚えている」

 そんな、忘れるほど知り合いもいないしな。

「俺らもやつらのことを調べる必要があるな……」

 ブツブツつぶやきながら、アザミンはスマホをいじりだす。

「どうやって調べんの? 名前聞いとけばよかった?」

「ええい、うるさい! それができれば苦労しねぇよ!」

 ……名前。

「……伊予谷八尋いよたにやひろ椿伊万里つばきいまり

「……え?」

「涼白があの青いやつをフルネームで呼んでいたし、九龍も“椿君”とあの赤いやつを呼んでいた」

 そして、その後輩を下の名前であの男は呼んでいた。

「よ……よく覚えてんな……」

「さすがリーダー……あの状況下でちゃんと聞いている……」

 おい、何だ。その引いた目は。

「早速この情報で探ってみるか」

「えっ。名前だけでいけんの?」

「十分だってぇの!」

 アザミンが嬉しそうに、スマホを再び忙しそうにいじり始めた。

 あれ? この不良……こんなキャラだっけか。

「でもさぁ、相手チームのリサーチも大事だけど、まずはリーダーと組んでくれるやつを探すのが先じゃね?」

「……あ」

 俺もすっかり忘れていたが。

 そういやそうだった。

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魔法少女(笑) ホタテ @souji_2012

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