第1幕 少年、覚醒す −エピローグ−

 睦月に置いて行かれた不良二人は、ポカンとしていた。

「……えっと……今のが噂のナナ君?」

 先に言葉を発したのは、潮の方だった。

「おそらく……」

「いつもリーダーに弁当持たせている、あのナナ君?」

「だろうな……」

 薊はまだ呆気にとられているようだった。

「あんなリーダー初めて見たな……」

「そうだな。つーか、ナナ君超爽やかイケメンじゃん。俺、ビックリした」

 潮は呑気にそう言った。

「すげぇ優しそうな人。リーダーと全然違う」

「ああ……」

「本当、どこで出会ったんだろうな?」

「さあ……」

 二人はいつまでも、彼らが歩いて行った方向を見つめ続けるのだった。

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