ちょっと前ですが、大沢在昌先生の『海と月の迷路』を読みました。
大沢先生の作品は文章が凝っているわけではなく平易で読みやすいですが、必要な情報以外は削ぎ落されている感じですね。
想像しやすいし続きが読みたくなる不思議な文章です。もちろんストーリーが面白いのもありますが。
昔は『銀河英雄伝説』の文章を真似ていましたが、今は大沢先生や藤沢周平先生のように無駄に凝らない文章の物語を書くのを目指しています。
大沢在昌先生は『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞していますが、解説ではその際に「(ほとんど受賞して)もう作品で頂ける賞がなくなってしまった。なにを励みに頑張ればいいのか。そうだ、君たちの笑顔だ」という意味のカッコいことをおっしゃっています。
私も言ってみたい。
後年の大沢先生の書く物語は主人公も個性というものを削ぎ落とした人物のイメージが強いです。
無個性ではないですが、個性というものをべたべた付けていない感じ。
『ザ・ジョーカー』の後書きでも、「主人公の個性というものをできるだけ排除してみた」という意味のことを書いています。
いろいろな要素を寄せ集めて『個性的なキャラ』というものが求められる現在、個性的な主人公でなく平易な文章で面白い大沢先生の作品は凄いなあ、と改めて思わされました。
まだまだ暑い日も続き、なにより予期しないようなことも多いので、みなさまもお気を付け下さい。
もう私はあちくてダメです。干からびました。