ナナシマイ

　探索者の少女モリンはある時、石の壁を幽霊のごとくすり抜ける奇妙な二人組に出くわした。敵に追われる彼らをとっさに森へ逃がしたモリンだったが、なんと彼女が助けた二人のうち片方は、世…

――2023年12月12日の朝方。 夢の中でもすやすやと寝ていた私は、とある女性に起こされ、「ここを読め！」と言わんばかりに一つの本を顔に押し付けられた。 寝ぼけ眼でどうにか読む…

ゆみこさんの元に届いた、真っ白な封筒。中に入っていたのはお手紙ではなく、小さな猫の女の子でした。 その日から、ゆみこさんの家には迷子のお手紙が届くようになります。 そこでゆみこ…

祖母が入院した夏休み。葵は父方の祖父の家で、楽しみらしい楽しみもなく憂鬱だった。 しかし散歩に出た先で見つけた空き地で、葵は不思議な温室に招かれる。 虫と人との奇妙な因果を集めた…

その町のメインストリートに当たる「スクルージ街」は、別名を「ネオン街」と言った。通りに並んだ古びたビルの上で、色とりどりの広告ネオンが輝くことで知られていたからだ。その数は全部で…

この学校には『魔王』が封印されている―― 封印を守る『魔王部』は、13日ごとの〝クジビキ〟で『魔王係』を決めること。 夜12時までに決まらなければ、魔王が復活し世界が滅ぶ！？ …

今年はお題を募集して、毎日一つのお題を使って書くことにしました。 頑張って毎日更新しようと思います！ 楽しく書くのが目標です！ 各話エピソードタイトルがお題になっています。 それ…

行きつけの画材屋が休業中で、ぽっかり予定が空いてしまった「わたし」。 いつもは行かない路地裏をぶらぶら歩いていると、「一箱屋」という名の小さな店を見つけた。中に入ると、隅から隅ま…

女は破局した恋に未練たらたら。 男は新しい恋に臆病。 そんな恋愛偏差値低めなふたりだって幸せになりたい。 クリスマスまでに恋はどうにか進むのか？　そしてふたりの結論は？ くれは…

【カクヨムWeb小説短編賞2023　短編賞受賞作！】 北海道の小さな村で漁師をしていた祖父。 僻地での日々の営みは、まさにスローライフ。 孫目線で見てきた彼らの暮らしを、今、ひ…

夫が死んで３年、妻の里子は夫である裕の記憶と思考パターンを学習させたAIロボットを造ってしまう。科学者夫婦であったふたりの、失った日常と新しい日常の話。 昔企画で書かせていただい…

大図書館へ、定期連絡。 筆記者「留学生、ルゥルゥ」 同行者「回収対象、アレクシウス・ドラコニウス」 日付　「〇〇日海風薫る月」

ワンライ企画　#ふどらい　参加作品です。 使ったお題は ・当たらない ・模様 関連作が　小説家になろう　にあります。『うらない路地のおもてなし』https://ncode.s…

ふどらい企画参加作品です。 https://x.com/fudokift/status/1728534774250406162 お題は「渡る」を使いました。

交通事故に遭った“俺”の目前に現れたのは、ドライブスルーだった。 　　　　　 【第46回「2000文字以内でお題に挑戦！」企画】に寄せて書きました。 https://kakuyo…

アメリカ生まれアメリカ育ちの十七歳、エミリーこと英美里。友達とIT企業を立ち上げるほどの秀才。ところが方針の違いから会社を追い出され、父が日本に帰ることも決まったため渋々日本へ。…

顔馴染みの黒猫を追いかけるうち、少女は不思議な世界に迷い込んでしまう。 昔書いた三題噺「モロッコ」「異世界召喚」「ケモノ耳」に、柴田恭太朗様の自主企画三題噺「炎」「偏愛」「かけら…

『お父さんとの離婚、成立しました』 母からの連絡に、俺は幼かった頃の自分を思い出す。終電間際、乗っていた電車を乗り換えた俺は、懐かしい場所を歩く。

イセカイフドキさんの風土記系ワンライ企画「ふどらい」参加作品。 北方の都市イェレスティの冬支度《羽根魚狩》の物語。 ⚫︎キーワード⚫︎ ・色変わり・集める・合図・冬じたく・食べら…

風土記系ワンライ企画 #ふどらい 2日目（2023/11/18）の参加作（遅刻）です。 お題は「夏の思い出」を使いました。

お題「木枯し」 イセカイフドキ様の企画「風土記系ワンライ」（https://x.com/fudokift/status/1722738521608462486?s=46&t=O…

終末に備えて、世界から『価値あるもの』を回収することになった天使・ナジャは、自宅兼保管庫である塔と共に地上へおりる。やってきたのは、青空と引き換えに発展を遂げた都市国家オルランデ…

その場所には、学校の裏手にひろがる雑木林をつかうことにしました。 なにもない土のうえに境界をひいて“インシュウムラ”を定めます。 “インシュウムラ”のまんなかに、四角いヤシロを定…

髪はなんぼ長くてもええですからね　因習村成分は低めです、すみません

自主企画「因習村座敷牢人外青年祭」に参加させて頂きます。 酷い因習の村に、酷い座敷牢があって、酷い青年が入っていたりいなかったりするお話です。 一応でレイティングをつけますが、そ…

自主企画「因習村座敷牢人外青年祭」に参加しました。 全て終わったあとの因習村だった土地に、度胸試しだと乗り込んだ若者たちの話です。

　精霊の言葉を失って、自らの手で護ると決めた豊かなラザフォード国。 　いくつもの絡まりあう想いの迷宮、その出口は。 　数奇な運命に翻弄される少年カートと、彼を取り巻く人々の物語。…

同じ文末で物語を〆る企画　お題：「この魔法はあと十秒で解けます。」 https://kakuyomu.jp/user_events/16817330663680596222 と…

龍華国は一匹の虹龍によって創られ、その虹龍の鱗から生まれた四龍が国を守護している。 東の青龍。南の赤龍。西の白龍。北の黒龍。 長く栄えてきた龍華国だったが、あるとき北を守護する黒…

久我雪穂と一条晶は、今最も熱愛報道を待ち望まれている恋愛ドラマの大人気ゴールデンコンビ。 恋人役での共演は3年間で20回を記録した。 とはいえ現実では深い関係があるはずもなく、む…

何故人は、イケナイと思う「恋」ほどのめり込むのだろう？ コロナ禍のあおりをうけ、大学院進学資金に窮した主人公は、友人の悪戯によってママ活専用出会い系サイトに登録されてしまうが……

普通の女子高生の結芽（ゆめ）は「普通」に退屈している。ある時ショーウィンドウに飾られたモザイクガラスのランプに誘われるように入った雑貨屋で、うっかり商品を落として壊してしまった。…

金がある？　地位がある？　顔が超絶イケメン？ どうやら、沼らせ男とはそういう事ではないらしい。

全ての物質が分解と再構築の過程であると、その男は言う。 そして、魂も同様に、分解され、再構築されるものなのだ、と。

　騎馬民族である南匈奴が、部族を率いて後漢王朝に従属した。 　そんな南匈奴の左賢王（第一王子）が、時の権力者である曹操に頼みがあるという。 　彼にはどうしても、もう一度会いたい女…

柴田恭太朗さまの自主企画：三題噺「チーズ」「日記」「行進」参加作品。 中卒の姉は美しい。 妹はふつう。 妹はチーズを食べない。何故なら……。

刀根田村。 古来より。独自の神、八千矛神(やちほこのかみ)を祀るその村は、毎年神事に供物を捧げていた。 だが、十年に一度。 八千矛神に生きた贄を捧げていた。 そして今年、選ばれ…

父性小説大賞参加作品

仲良し高校生６人組は、３年の夏になんかそれぞれ色々ある感じの恋をしていた。 夏が始まったぜ！　というノリのハッピー恋愛小説です。そんなに長くないのでスキマ時間にどうぞ！

敬愛する叔父の大恩人“海賊閣下”に嫁入りすべく、港町ガララタンにやってきたシャニィ。ところがいざ対面した相手は叔父との“約束”に覚えがないようで……やや特殊な教育を受けた伯爵令嬢…

※「嫁入りからのセカンドライフ」中編コンテスト　参加作品※ 《魔女》の娘フリス・ホーエンペルタは、幼なじみの青年シオンと結婚した。 《雷光の騎士》《王権守護者》の燦然たる二つ名…

イリスは母親が死んでから親戚の家で暮らしている。暮らしは貧しく、あまり良いものとは言えない。そして親戚から自分を売るという話を聞いた日、イリスはローワンと名乗る男性と出会った。ロ…

神に輿入れしてシスターとなるべく、はるばる花の都リンデバウムを訪れたクラリス。そこで目の当たりにした黒夢病の惨状。人々を救いたい——彼女の祈りに応えたのは、神ではなく悪魔だった。…

大陸の北端に、かつて「捨て地」と呼ばれた極寒の土地がある。 魔導士たちは、火の魔法で暖を取り、水の魔法で水を確保し、風の魔法で結界をはりめぐらせて、不毛の地に魔導国家エミリアを繁…

時は昭和初期、所は房総。 死体を前に、一人の女が呆けていた。 「人が人を殺めてしまったとき、山育ちは海に流し海育ちは山に埋めると申します。ですが、私には何処に棄てる場所がありまし…

20XX年――。 地球温暖化やら何やらで海面が上昇した結果、千葉県は水没した。 “俺”は潜水艇に乗り、千葉県だった海を訪れる。 　　　　　 【第47回「2000文字以内でお題に挑…

芹澤 日魚子、25歳。特技、三秒で恋に落ちる。ただし男難の相あり。 深木 爽、25歳。特技、三秒で恋に落とす。ただし女の敵。 会社では他人のふりをするふたりは、ひとには言えない幼…

　長い間、心に抱えてきた恋を失ったとある国の青年王。 　政務で多忙を極める日々の中、最近は折に触れて、彼を訪れる精霊の少女がどうにも気になっているが、なかなか進展する気配もなく。…

ローニャは売れない画家である。 同じく売れない画家である父に愛想を尽かした母親が出て行って以来、父と子の二人でなんとか生活をしていたが、父が病に倒れて亡くなって以来パン屋で働きな…