子ども達が「インシュウムラ」という言葉を繰り返す度に、どんどんその言葉の不気味さが増していく。子ども達に代々受け継がれているらしいおまじないの儀式。インシュウムラの境を引いて、ワカミヤ様を定める。そして全てのインシュウは封じ込められる。一体、どれ程のインシュウとワカミヤ様が封じ込められていたのか。子ども達の残酷さも恐ろしいが、そのオマジナイが大人の残酷を真似たものであることにもぞっとする。
過去に瑕疵がある者が祈らずにはいられないインシュウムラのおまじない。けれどそこに潜む何かは決してその者を許さない。因果応報。悪しき行いには必ず報いが訪れる。
小学校に伝わる「インシュウムラ」のおまじない、という発想が面白い。何かに穢れを押し付けつても、やったことが本当に帳消しになるほど甘くはないし、そのまじないは、そも何の神に祈ったものか。いいホラーでした。