シリーズの締めにふさわしい、深く深く考えさせられる作品でした。どのキャラクターにも愛着が湧いてしまって、読み終わる時がとっても寂しかった!><
たくさんの困難を越え、国が、そしてひとびとが大きく変わろうとしている時代に突入。今まで信じていたものが消え自分達の力で国を盛り上げていこうと奮闘する人々と同じく、少年騎士のカート君もまた成長の時を迎えます。
それは身体的なものだけではなくて、彼の繊細な心もまた。今回は彼の出生にまつわる大きな問題が起こり、そのおかげでカート君は体にも心にも大きな負荷を受けることになります。まわりを愛するが故にとある決断を下そうとする彼は今までと同じく清廉潔白なヒーローでありながら、ひとりの人間としての主張も芽生え、その軋轢に苦しむ姿は今までになく辛いシーンです。
その分頼もしく思えるのが、家族や同僚騎士たち、そして愛しい少女という彼を支えてくれるキャラクターたち。まさかあのキャラクターが!?という再登場もあり、一段と深くなった彼らの絆を見るだけでもファンは涙腺が熱くなってきます(;ω;)
ひとりひとりの心の機微を優しく捉えつつ、今までのシリーズ同様に繊細に練られた物語によって隣国との緊張関係が描かれます。はじめて外の国の様子を知った少年たちに、どんな変化が出るのか――最終作にして新しい見どころが満載なのはさすがです。
主人公のかわかっこいいカート君はもちろんですが、私の推しは先輩騎士のアーノルド!なんて立派な男になったんでしょう……!いじめっ子として登場した最初から好きですが、読み終えた今でもやっぱり彼が大好きです。
ひとりの少年と、ひとつの国の成長物語、堂々のフィナーレでした。
三部作のラストです。成長し、絆を深めてきたカートたちに強大な敵が立ち塞がります。今までだってなんとかしてきたんだし大丈夫、と思いたいですが今回の敵は組織的で油断なりません。息をのむような展開にハラハラする事間違いなし!
さて、マリオネットインテグレーターは様々な糸で紡がれた巨大なタペストリーのような物語です。しがらみの糸であったり、絆の糸だったりします。悪い糸もあれば良い糸もある。行動範囲が広がり、様々な通信手段で遠方の人と繋がりを持てる現代社会に生きる私たちも見えない糸でがんじがらめです。そんな私たちだからこそ、この物語は共感できるのだと思います。そして、カートたちが全ての糸を正していく様を見れば自分もと勇気がもらえるはず。
長々書いても仕方ないんで、くす玉の糸を引いて終わります。ありがとうございました。
マリオネットインテグレーターシリーズ完結作となる本作。
少年騎士カートの心身に、最大の試練が訪れます。
全ての人を魅了する瞳に隠された秘密と、彼を襲う運命とは——?
己の存在そのものと向き合うことになったカートと、ピアやフィーネをはじめ彼を取り巻く人々の心理が緻密に描かれていきます。
独りで思い悩むカートの心境が苦しいですが、ある意外な人物との再会によって転機を迎えてからの展開が、非常に読み応えがあって面白かったです。
誰しも、独りきりでは生きられません。必ず誰かと繋がっています。
それが原因で迷うことも、転じて大事な導になることもあるでしょう。
これまで辿ってきた道筋の全て受け止め、新たな糸を紡ぐように前へと進み始めた彼らの姿が清々しいラストでした。
長い物語を最後まで見届けられたことで、素晴らしい満足感に包まれています。
この作品に出会えて良かったです!
主人公の騎士・カートが宿す特別な力。『マリオネットインテグレーター』シリーズで、少しずつ明かされてきた秘密が、シリーズ3作目に当たる本作で、いよいよ繙かれていきます。
残酷な真実を前にして葛藤する、人形遣いであり魔導士・ピア。カートを真っ直ぐに慕い、己のルーツと改めて向き合うフィーネ。そして意外な人物との遭遇に、新しい事件――さまざまな”いと”に翻弄されながら、時には新たな”いと”を紡ぎ、時には強い決意と想いを胸に”いと”を断ち切って進んでいく登場人物たちとの伴走も、ついにフィナーレを迎えました。
カートたち縒り合わせた”いと”の先に、どんな景色が広がっているのか。ぜひカートたちと一緒に、ラストシーンまで駆け抜けていただけたらいいなと思います。マリオネシリーズのみんなが大好きです。とても面白かったです!
『マリオネットインテグレーター』シリーズの完結編となる今作。
そう、完結編なのです。
一作目、二作目と主人公のカート君と彼を見守り、あるいは共に成長をしてきた彼らの集大成となるこちらの物語。
前作までの登場人物も含め、今作は隣国であるドアナからの麗しき存在や、黒き衣を身にまとう少女など、謎も魅力もたっぷりの作品となっております。
時に彼らの心の葛藤に共に苦しみながら。
時にそれぞれの人物が繰り広げていく相手への思いを感じ取りながら。
互いに握りしめ、時により合いながら描かれていく世界を、皆さまにもぜひ楽しんで頂きたいと思います!
マリオネットインテグレーターシリーズの最後の作品です。
こちらの作品は1、2、3それぞれでも非常に楽しめるお話の構成になっているのですが、私はこれは3まで読む意味が絶対にあるなと、読み終わって強く思いました。
主人公のカートの数奇な運命と、出自と体質による葛藤。
そんな彼を支え、色々な手段で力となり、助けてくれたり、時にはぶつかり合ったりする彼の周りのたくさんの人達。
3まで読んでいて、カート、ピア、フィーネ、アーノルド、ダグラス、ヘイグ、ヴィットリオやその他の登場人物一人ひとりの行動や存在に意味があり、話が進むごとにそれらが紡ぎ出す未来がちゃんと適したところにぴったりと嵌っていく。
まさに、糸が解けていくような感覚を味わいました。
ぜひ、その感覚を感じてみて欲しいと思います。
マリオネットインテグレーターの3部作。
前作から引き続きの物語となる今回は、個人的には「愛」というものの存在が特に目立ったように思う。
愛とは、人それぞれ思いも、表現も、形も違う。それは多様性が取り沙汰される昨今で、改めて考えさせられるテーマでもある。
男性だから。女性だから。血が繋がっていないから。親だから。兄弟だから……そんなものは、数ある関係性の中のただひとつのピースにすぎない。
この物語の彼らを取り巻く環境や境遇。それらは決して平凡なものではなかった。しかし、だからと言ってそれを甘んじて受け入れる事も、諦める事も、彼らはしない。
目の前で起こっていく現実を直視し、複雑に絡まりあった愛の糸を必死に手繰り寄せながら、進んでいくのだ。
進むべき道は決して明るいものばかりではないかもしれない。しかし彼らは進む。
暗闇に差し込む一縷の灯火、それが明るい未来である事を願って。
こちらの作品はマリオネットインテグレーターシリーズ3作目となります。
1と2からのテーマとなる、人々が織りなす様々な「いと」から、主人公カート君を取り巻く登場人物達の人間ドラマや戦闘も多く描かれているファンタジー作品です。
3では以前からカート君に掛けられていた、命に関わるある魔法を解くために話が進んでいくのですが、彼をどうにか助けようとする人々が奮闘し、それによって本人や周囲も傷つき、悲しみ、様々な困難を乗り越えていくお話になります。
読んでいく度に、「うぉぉぉーー!!」とか「え!?」とか「きゃーーーー!!」とか一人で叫んでいたのはこの私です。
1話のお話の中にトップとダウンがありすぎるところもあり(大好き)、ジェットコースター気分で読めちゃうという素晴らしい本作。
個人的にずっと推している「アーノルド」という人物が好きすぎて、もうとにかくマリオネ1から読んでいる私にとって彼の成長が半端なく、ずっと頭の中に彼がいます。彼をもっと皆様に知ってほしい、ほんとに。
またストーリーの中は、謎めいたミステリー的な要素を多くあり、この人物はこの人だったのか!と様々な伏線を解かれていく話の流れもとても楽しめる要素の一つです。
他にも、「愛」をとても深く描かれている部分も大好きな要素の一つです。
男女間関係なく、主人公カート君を取り巻く人物との深い愛情がとても素晴らしく描かれており、人間愛といいますか、男女の間柄だけではない価値観というものがとても丁寧に伝わって来て、ぜひ皆様にもその部分に注目されて読んでほしいなと思っています。
この「愛」に関しては、1と2でも描かれており、また作者様の他作品でもとても美しい描写で描かれているのでぜひ触れていただきたいなと思います。
そして、ラストは美し過ぎて、思わず涙。
それぞれの人物がそれぞれに思いを感じ、考え、前を見て生きていく。
ぜひ、あなたの揺ぎ無い一本の「いと」をこの物語を通じて感じてみてください。
『マリオネットインテグレーター』の完結作となる今作。
今回は、カートの瞳の魔力やフィーネの父親、隣国ドアナのクーデターなど、前作で語られなかった部分を中心に物語が進んでいきます。
カートだけではなく、フィーネやアーノルドも成長を見せ、前作まではカートの足を引っ張っていた彼らも、今作ではカートを支えてくれる素晴らしい仲間になります。1から続けて読んできているほど、彼らの成長に喜びを覚え、感動すること間違いなし。
中盤では、カートの瞳の秘密でカートとピア、はたまた読者も八方塞がりの苦しい展開が続きますが、最後に迎えたのは最高のハッピーエンド。その裏には、切ない思いを抱えながらも最後に報われた男の想いもありました。
繰り返し読み返したくなる名作です。ぜひ1から何度も、何度も彼らに会うことをオススメします。
何があっても困難に立ち向かい、お互いに支え合いながら道を切り拓いていく彼らに、きっと読者も勇気をもらえるはず。
最高のシリーズをありがとうございました!!
水晶木の精霊の庇護を離れ、自らの国を治めることで前を向き始めたラザフォード。その国で、騎士として成長していたカートには、前作で負ったとある運命が容赦無く彼を絡め取ろうと襲いかかります。
いくつもの絡まる運命の糸。
大切に思うからこそ、その運命の前にもがき、混乱してカートを傷つけてしまったピア。どうしようもなく彼の前から逃げ出したカートを救ったのは、何とあの男で——。
前作で一応の解決を見たかに思えたカートの瞳の秘密と、隣国ドアナとの抗争を大きな軸として物語は進みます。
悩み苦しみながらも成長し、やがて色々な想いを抱え、答えを見出していく彼らの姿に、思わず涙が溢れてしまいました。
シリーズ最終作とのことで、全ての因果と因縁をひとつの未来へと織り上げていく見事なエピローグ。
彼らと会えなくなってしまうのが本当に寂しいですが、素晴らしい物語をありがとうございました!
前作、前々作と、マリオネットインテグレーターを読んできて、遂にここに辿り着いてしまった!私がこの物語に引き寄せられたのもまた"運命の糸"の一つなのでしょう。
主人公はこれまでの物語と同じく、ラザフォート国の騎士カート。
これまでにも数々の運命を乗り越え、誰よりも人を想い優しいこの少年も16歳に。しかしカートにはまだ秘密があって……。
これまでの2作から引き続き登場する、魅力的なキャラクター皆がまたとても愛おしい。性格や出自は違えども、とにかく、全員がすごく人間らしく可愛いのです。
そして皆がカートを愛する故に、数奇な運命がさらに少し拗れてカートに襲いかかるのを日々一喜一憂しながら読んでしまうという(笑)
さだめられた運命もあるだろう。
だけど、その運命をありのまま受け入れるのも、乗り越え自身で掴み取ろうとするのもまた運命であり人生。
泣いて笑って、まるで一緒にその時を少しの間歩ませてもらったような、不思議な気持ちになる物語。
完結ということで。皆とのお別れが寂しくもありつつ、この先の未来をそれぞれのキャラクターが自分自身で掴み取り、紡いでいくのを信じて。
こんな素敵な物語に出逢えた、自分の運命の糸にもまた感謝したい。
本当に素晴らしかったです!ありがとうございました!!