繰る糸、括る糸、集う運命と未来へ伸びたその"いと"を紡ぐのは——

 前作、前々作と、マリオネットインテグレーターを読んできて、遂にここに辿り着いてしまった!私がこの物語に引き寄せられたのもまた"運命の糸"の一つなのでしょう。

 主人公はこれまでの物語と同じく、ラザフォート国の騎士カート。
 これまでにも数々の運命を乗り越え、誰よりも人を想い優しいこの少年も16歳に。しかしカートにはまだ秘密があって……。


 これまでの2作から引き続き登場する、魅力的なキャラクター皆がまたとても愛おしい。性格や出自は違えども、とにかく、全員がすごく人間らしく可愛いのです。
 そして皆がカートを愛する故に、数奇な運命がさらに少し拗れてカートに襲いかかるのを日々一喜一憂しながら読んでしまうという(笑)

 さだめられた運命もあるだろう。
 だけど、その運命をありのまま受け入れるのも、乗り越え自身で掴み取ろうとするのもまた運命であり人生。

 泣いて笑って、まるで一緒にその時を少しの間歩ませてもらったような、不思議な気持ちになる物語。

 完結ということで。皆とのお別れが寂しくもありつつ、この先の未来をそれぞれのキャラクターが自分自身で掴み取り、紡いでいくのを信じて。

 こんな素敵な物語に出逢えた、自分の運命の糸にもまた感謝したい。
 本当に素晴らしかったです!ありがとうございました!!

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