★★★ Excellent!!! 男に送られた最高のクリスマスプレゼントとは ひなた 死それは男だろうが女だろうが金持ちだろうが貧乏だろうが平等に訪れるものだ。 そんなありふれた死だが、僕は幸せな死に方がどういうものかわからない。 あの孔子ですら死についてはわからないと言っているのだから僕にわかるはずがない。 でも、この小説では作者の幸せな死に方に対する一つの答えが示されていると思う。 皆さんもこの小説を読んで一度死というものを真面目に考えてみてください。 今ある生が輝きを増すに違いないから。 レビューいいね! 1 2020年5月29日 23:40
★★★ Excellent!!! メリー・クリスマス。あなたに少しでも、あたたかい朝が訪れますよう 坂井令和(れいな) 死に行く浮浪者。何日も食べてなく、寒さに凍えるクリスマスイブ。 純文学です。綺麗な文体が雪の寒い夜を思い起こさせます。 メリー・クリスマスの響きがしっとりきます。 寒い日もこれを読めば心はあたたかくなります。 切ないけど、人間味溢れる物語です。 レビューいいね! 3 2019年11月6日 08:37
★★★ Excellent!!! 不平等な人生の先に待っていたものとは。 夷也荊 クリスマスに、一人の男が死ぬという物語。 そこには救いなど、なかったかもしれない。 男の人生は、ほとんど底辺だった。次々と不幸が彼を襲い、たった一人になった男は、浮浪者となった。そんな男が迎えたクリスマス・イヴ。温もりさえない場所で、男は一匹の猫と出会う。 そして、男が最期に出会った者とは――? 男の中で沸き起こる、忘れかけていた想いと、思い出。 そんな想いと思い出の中で、死にゆく一人の男。 翌日発見された男に、果たして救いは見いだされたのか。 上流者階級と社会の底辺の男という対比や、男に対する人々の想いの違い、男の心の変化などが、分かりやすく描かれていて、読みやすかった。 是非、ご一読ください。 レビューいいね! 3 2018年11月6日 08:05
★★★ Excellent!!! この時、いつもと違う優しい気持ちになれた 湯煙 生よりも死を望むような状態になって、少女から貰ったささやかな優しさに影響されて主人公は自身の中にある優しさを思い出す。 その気持ちが、死にゆく彼に穏やかさを与えてくれた。 生き方が選べなかった人は、どのような死に方をするかというより、死に際してどのような気持ちでいられるかで幸せを判断できるのかもしれない。 どのような人でも死は避けられない。 ならば、死を受け入れる際の気持ちはもっと重要視されて良いのではないか? そう感じさせてくれた短編でした レビューいいね! 2 2018年1月28日 12:22