路地裏のスクルージ

作者 陽澄すずめ

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★★★ Excellent!!!

死に行く浮浪者。何日も食べてなく、寒さに凍えるクリスマスイブ。

純文学です。綺麗な文体が雪の寒い夜を思い起こさせます。

メリー・クリスマスの響きがしっとりきます。

寒い日もこれを読めば心はあたたかくなります。

切ないけど、人間味溢れる物語です。

★★★ Excellent!!!

 クリスマスに、一人の男が死ぬという物語。
 そこには救いなど、なかったかもしれない。
 男の人生は、ほとんど底辺だった。次々と不幸が彼を襲い、たった一人になった男は、浮浪者となった。そんな男が迎えたクリスマス・イヴ。温もりさえない場所で、男は一匹の猫と出会う。
 そして、男が最期に出会った者とは――?
 男の中で沸き起こる、忘れかけていた想いと、思い出。
 そんな想いと思い出の中で、死にゆく一人の男。
 翌日発見された男に、果たして救いは見いだされたのか。
 上流者階級と社会の底辺の男という対比や、男に対する人々の想いの違い、男の心の変化などが、分かりやすく描かれていて、読みやすかった。

 是非、ご一読ください。

★★★ Excellent!!!

 生よりも死を望むような状態になって、少女から貰ったささやかな優しさに影響されて主人公は自身の中にある優しさを思い出す。
 その気持ちが、死にゆく彼に穏やかさを与えてくれた。

 生き方が選べなかった人は、どのような死に方をするかというより、死に際してどのような気持ちでいられるかで幸せを判断できるのかもしれない。
 
 どのような人でも死は避けられない。
 ならば、死を受け入れる際の気持ちはもっと重要視されて良いのではないか?
 そう感じさせてくれた短編でした