不平等な人生の先に待っていたものとは。

 クリスマスに、一人の男が死ぬという物語。
 そこには救いなど、なかったかもしれない。
 男の人生は、ほとんど底辺だった。次々と不幸が彼を襲い、たった一人になった男は、浮浪者となった。そんな男が迎えたクリスマス・イヴ。温もりさえない場所で、男は一匹の猫と出会う。
 そして、男が最期に出会った者とは――?
 男の中で沸き起こる、忘れかけていた想いと、思い出。
 そんな想いと思い出の中で、死にゆく一人の男。
 翌日発見された男に、果たして救いは見いだされたのか。
 上流者階級と社会の底辺の男という対比や、男に対する人々の想いの違い、男の心の変化などが、分かりやすく描かれていて、読みやすかった。

 是非、ご一読ください。

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