このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(149文字)
生きていれば、誰しも多かれ少なかれ過去に置いてきた自分というものがいるのではないでしょうか。 すこし不思議で、読後の余韻がじんわり染みる短編です。
両親の離婚が成立した。その事実を母からの連絡で知った俺は、浮足立った気持ちのまま自宅とは別の駅で降り立つ。そこは、幼少期の思い出が残る場所だった。過去と現在が交錯する、少し不思議な物語です。母が父と決別したように、主人公も過去の自分と決別することで先に進むことができるのではないかという希望を感じさせられます。