片瀬智子

北海道の余市は、ウィスキーの香りが漂う町だ。その奥地には、地図にも載らない秘境、伝説の魔界の岬がそびえ立つ。荒波をものともせず、天を突く龍のように威風堂々としたその岬は、霧が晴れ…

満月の夜、黒猫のムギさんと散歩をしていた僕は、オレンジの手袋が落ちているのを見つけた。 その手袋を拾い上げようとすると、ムギさんが僕を止めた。 「まあ、少し待ってみようよ。あの…

我が家の同居人であるところの猫のそら殿は、すこぶる返事をする猫でして。

人生の分岐点で思い悩んだ孝子の選択は？ カクヨムWeb小説短編賞2023現代ドラマ・文芸・ホラー部門で中間選考を通過しました。 https://kakuyomu.jp/cont…

【まえがき的なやつ】 『公式自主企画「ご当地怪談」大募集！！ ～日本全国を舞台に怪談話を創作しよう～』への参加作品です。 残酷描写が結構あります。 苦手な方はお気をつけくださいま…

長野県の古刹には妖怪を守るお寺がございます。 末恐ろしい世の中になってまいりましたから、妖怪達は思うのです。 来世はきっと生き地獄でしょうなぁと。

その音が聞こえてくると、私の季節は再会の夏となる。

"Good music is good music and that should be enough for anybody" - Bradley Nowell

【まえがき的なやつ】 『第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部』への参加作品です。 僕は短歌がまったくわかっていないド素人ですが、作品のクオリティーは置いといて、無知なド素人…

女司祭クリスティナは、現代日本からの転生者だ。 生まれ変わった異世界では、聖職者として働き、皆から「聡明な聖女」として慕われている。 だが実は前世でも現世でも、理不尽な運命に翻弄…

2021年カクヨムweb短編小説 短編特別賞　受賞作品 時は２０６０年。 超高齢社会を迎えた日本は、ろくに対策を取る事もないまま、介護崩壊を起こしていた。 今や自宅介護に老々介…

凶悪なモンスターを率い人間を苦しめてきた魔王を退治せんと、魔王の城に乗り込んだ勇者と賢者。だが、魔王は”いいわけ大魔王”だった。 KAC全部入りです。 KAC20231「本屋…

真夜中に散歩していると、ウサギのぬいぐるみが現れた。 ウサギの後を追いかけていくと、不思議な本屋に辿り着いた。 KAC前半戦全部入りです。 KAC20231「本屋」 KAC20…

日々の生活で起きた失態や失敗……又は愚痴を書いています。実話です。

東京の私鉄沿線の町の片隅にある老舗書店「しあわせ書房」。 いつもなら雑誌を立ち読みするために訪れるこの店で、僕・堀田健斗は普段読むこともない文庫本を探すことになった。どの本が良い…

KAC2023　第１回お題「本屋」　投稿作品です。 幼少期の「本屋」（古本屋）に関する思い出話です。短編ですのであらすじはありません。 今年もカクヨム誕生祭2023のお題、全…

ピアノ伴奏つきの独唱曲として、フランツ・シューベルト、ロベルト・シューマン、フェリックス・メンデルスゾーンらのロマン派が活躍した時代に開拓され興盛期が築かれたドイツの芸術歌曲、ド…

「主文、被告人を懲役4年に処する」 裁判官がそう告げてから、4年が過ぎた。 やがて新しい生活を始めた夏の終わり、唐突に被害者の妻が現れたのだった。 掲載に寄せて お読み頂く方…

「僕」と葵は、似た者同士で親友だ。 だが学生時代から友情は続いているものの、一度として交際したことはない。 「僕」は葵が好きだったが、葵は「僕」を恋愛対象と見做していなかった。 …

ファイッ

【まえがき的なやつ】 『カクヨムWeb小説短編賞2022』への参加作品です。 最近はちょくちょく昭和初期から中期の話を書いてます。この作品もそんな感じの話で、川が舞台で、月をちょ…

　テバレシア王国第一王女アスカ・テバレスに、隣国ベリンガム公国から縁談が舞い込んだ。お相手は、ベリンガム公国第三王子ルネ・ベリンガム。「姿絵」で見せられた彼は、ちょっとチャラそう…

【まえがき的なやつ】 『第3回角川武蔵野文学賞』への参加作品です。 勢いだけで書き切ったのですが、勢いだけで書くのは本当に楽しい、 これはくせになる。笑 話の展開がちょっぴり（だ…

【まえがき的なやつ】 『第3回角川武蔵野文学賞』への参加作品第二弾です。 第一弾の参加作品も川が舞台でした。僕の書くものは、似ているというか、ワンパターンというか。 10月25日…

中学生の姉妹、千恵美と亜由未は母親からパート先に現れる不思議なお客さんの話を聞く。翌日、そのお客さんらしき女性を見かけた二人はさらなる小さな謎を目撃する。

—はじめての一人旅に出た舞のはじまりのエピソード―。 *カクヨムWeb小説短編賞2018、キャラクター文芸部門で、中間選考を通過しました。 https://kakuyomu.j…

気が付くと、僕は同級生の月花さんと夜の校庭にいた。 宙に浮かぶ体。思い出せない出来事。声に被さる謎のノイズ。 これは小さな離島で起こった、不思議な現象を巡る物語。 ※「５分で読…

〈学園七不思議を愛する部〉部員の鈴原四葉・横山愛莉・榊原日向の三人は、とうとう行動を起こすことにする。それは学園八不思議を元の学園七不思議に戻すミッション。三人は手始めに助言を頂…

ある日の放課後、クラスメイトの堀辺くんはとても奇妙な行動を取ったらしい―― なんと大雨が降る中で、パンダの被り物をして校庭を全力疾走したというのだ！　 成海（私）は、意味不明な…

カクヨム作品を読んで、感想をコメント欄に書くことにしました。 でも、思った以上に長くなってしまったので、こちらに書いてみることにしました。 読むためのサポートとして「棒読みちゃ…

雨の日、僕に届いた過去からの手紙。

高校の学園祭の最終日。 一年生の主人公・高滝冬樹と、その幼馴染のよく食べる少女・浜名深夏は、『魔女』とのゲームに勝ったらチョコバナナを大量にもらえる、というサービスを売りにするコ…

謎を解かねば秘密を暴露する。 このアプリはアンインストールすることができない。解約や破壊は意味がない。電源を切っても、捨てることも無意味だ。充電をしなくても、このアプリのみは、バ…

鈴森高校の副会長である本多結衣は、生徒会長の中島淳平と付き合っていた。しかし二人は世間的には犬猿の仲として知られていて、その事実を知る者は限られていた。 そんな中、淳平の浮気（…

中学三年生のヒカリは人と話すのが極度に苦手だ。 スマホを手に入れ、文章で会話できることに喜んでいると『スマホアレルギー』にかかってしまう。 それは、スマホを使うと体調が悪くなる不…

探偵気取りな七不思議を信じない葵とお嬢様の希菜子の二人。 クラスメイトから聞いた噂「音楽室で踊る骸骨」の謎を授業終わりの5分で解決できるか？？

生まれた時から再生能力を持ったトーヤ。どんなことをしても再生してしまうので、強くはないが、痛みを感じることもなく死ぬことはない。ゾンビ体質ゆえ結果最強になっている。 再生能力で…

結婚のため新居へ引っ越す準備をしていた中条純平は、整理していた机の引き出しの中から、一枚の古びた便箋が舞い落ちた。 それは、高校時代に文通していた埼玉県に暮らす三井由香子からの手…

【KAC2022参加作品】 これはアタシの思い出がいっぱいつまった日記！ いやー、人にみられるのとかちょーハズかしいんだけど、まぁーちょっとだけ！　中身みせてあげるね♪

KAC用のお話です。 真夜中に生き生きと動き出す、彼らのお話。

俺は格闘家だ。 電車に乗るときはいつも、イメージトレーニングをしている。 今日もそうだ。 KAC前半のキーワード、二刀流、推し活、第六感、コメディ、全部入りです。

ある日、羽菜は１匹の子ぎつねを助けた。 すると翌朝、ひとりの少年が羽菜の家を訪ねてきた。 「あの時助けていただいたきつねなのじゃ。お礼にきたのじゃ」 そして少年は、料理が苦手な羽…

鐘羽東高等学校二年生の鵜多川孔市は、ぼっちだがプロの漫画家である。 その幼なじみ・紘瀬朱里は、才色兼備で誰からも慕われる女の子だ。 朱里は、ちょくちょく学校が終わると孔市の自宅…

節分のあの風習、始めたのは誰？ ちなみに私は食べない派です。 『カクヨム3周年記念選手権～Kakuyomu 3rd Anniversary Championship～』 『ルー…

町はずれの大型ごみ処分場に家具を処分に行こうとしたピアノ調律師の博也は、大きなグランドピアノを処分しようとしていた男性と出くわした。ピアノはまだ十分弾けそうだと判断した博也は男性…

　バイセクシャルの蛭間千早は男も女もどちらも愛せる女性。 　実の姉である楓にゾッコン。 　それなのに、楓はわけのわからない爬虫類顔男と付き合い始めた。こいつのせいで大好きな姉…

広瀬智也は母親から、いい歳して独身である事をとても心配されていた。ある日ひょんな事から２人で恋バナをし、その際に智也は自分の秘密をカミングアウトする。 以前は結婚の話に触れられ…

大晦日の夜。俺は一人孤独に過ごしていた。毎年一緒に年越しを迎える彼女とは、三日前に喧嘩をしたっきり会っていない。 このままじゃ駄目だ。彼女に「今から会いたい」とメッセージを送り、…