話の構成が誠に巧みで、これは続編が楽しみになりました。
以前からさくらさんの話を拝読させていただいているのですが、不思議とカクヨム短編賞の特別賞受賞作を見逃していました。
今回、「ハッピー・アンハッピー・ウエディング」という、この作品と世界観が同じ、という新作が出ていたもので(しかももう完結してる……)これはまずはこちらを……ということで、早速。
――本当にストーリー構成が巧みです。完全なるプロットの勝ち。
第二話からどんどんと話が動いて、新たな要素が付加され、それが最終的に最後の感動的なエンディングに昇華されましたね。
ピリリとした脇役の存在もあり、さすがは短編賞、めちゃめちゃ面白い話になっています。
最近は少子高齢化ということで介護の必要性って言うのがずっと話題になっていますけど、その中で機械の存在って言うのは絶対に重要になってきますよね。
その先を行っているので、これからロボットが活躍する世界が……という仮想現実が、仮想ではないかのように見えてきています。
人が世話をすることが出来るのがやっぱりベストなのですが、それでも手を回すには限界があります。
将来、こんな技術が出来て、みどりさんがお年寄りの面倒を見ることになっているのか。
非情にワクワクさせられる逸作でした!
無知で無学な人間が、こんな素晴らしい作品にレビューを書くなんて、おこがましいが、書かずにはいられなくて! 僕の気持ちを正直に書きます!
登場人物と登場ロボットの優しさと思いやりに、涙が溢れた。
文章の進め方とセリフの上手さに感激した。
ぼくは、他の人の素晴らしい作品に出会うと何時も嬉しい、が、如何して他の人は、こんなに面白くて上手で素晴らしい小説が書けるんだろう?と項垂れる。
僕は、如何して情けなくて、下手な小説しか書けないんだろうと、悩む。
他の人の作品を、手放しで喜んでばかりで良いのだろうかと、自分自身に情け涙がうかぶ。自分の作品に愛着が在るから、気負った宣伝をするが、このような優秀な作品には、到底及ばないことぐらい解っている………
この作品もそうだ、素晴らし過ぎて、悔しいから、誰にも気づかれないように、心とテクニックを盗んで遣ろうと思っている。何か言われたら、ごめんなさい!と
謝るつもりだ。
本当に素晴らしい作品を、勝手に読んでしまいましたが、有り難うございました! (本音です!) (^_-)-☆
私は介護の経験はまったくありませんが、文章を読んでいるだけでその大変さが想像できました。そして介護ロボットという存在がもし生まれれば、どれだけの人が救われるのだろうとも感じました。
ただ、この作品は超高齢化社会における介護ロボットの必要性を訴えた作品ではありません。むしろ介護ロボットがもし存在した時に、人々はどういう生活を手に入れるのか、どういう葛藤を感じるのか、どういうことが問題化するのか。人の方に焦点が当てられています。フィクションではありますが、非常にリアルな世界が描かれていました。
なかなか読んでいて胸がつまるような展開が続きますが、物凄く引き込まれてあっという間に読み終わってしまいました。きっとそれはフィクションでありながら他人事とは思えないようなリアルな描写が理由でしょう。
読んだ人の心に切に訴えるものがある作品でした。