介護の現実とロボットの未来と

私は介護の経験はまったくありませんが、文章を読んでいるだけでその大変さが想像できました。そして介護ロボットという存在がもし生まれれば、どれだけの人が救われるのだろうとも感じました。
ただ、この作品は超高齢化社会における介護ロボットの必要性を訴えた作品ではありません。むしろ介護ロボットがもし存在した時に、人々はどういう生活を手に入れるのか、どういう葛藤を感じるのか、どういうことが問題化するのか。人の方に焦点が当てられています。フィクションではありますが、非常にリアルな世界が描かれていました。
なかなか読んでいて胸がつまるような展開が続きますが、物凄く引き込まれてあっという間に読み終わってしまいました。きっとそれはフィクションでありながら他人事とは思えないようなリアルな描写が理由でしょう。
読んだ人の心に切に訴えるものがある作品でした。

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