大阪城のお堀。お堀は全国の城に見られるが、その水は堀の中に留まっているため、あまり生態系が豊かではない。しかし、大阪城のお堀の生態系は、稀に見る豊かさを誇っていた。その豊かさは、生物学者が首を傾げるほどだ。その豊かな生態系を、一人の民俗学者が論じている。
その論は、戦前にまでさかのぼる。戦前の大阪で流行った病。その病の原因を神に祈祷して答えを見つけた巫女。そして——。
ある条件を満たした人間は、ガララになる。そしてガララは、大阪城のお堀の生態系の豊かさに関係している?
はたして、ガララとは?
何を信じ、何をすくい取るのかは、読者次第。
是非、御一読下さい。
常識では考えられないことが起こる。それは偶然ではなく、おそらく理由があるんです。
この物語の中でも、大阪城の堀で、常識では考えられないことが起こり、その理由について書かれています。
短編なので詳しく書けませんが、集団心理の残酷さと、恐れを感じました。なんだか読んでいると、これは本当にあったことなのではないか、と思ってしまいます。それほど、すごくリアルな描写でした。
あらすじにも書いてあるのですが、残酷描写があります。ただそれは、物語の中の怪異を際立たせるためなので、そこだけに注目せずに読んで欲しいです。もちろん、無理はせずに、ですが。
それがあるからこそ、本当にいるのかもね。と感じるのだと思います。
僕はいると思うんですよね『河裸稞』