藤堂こゆ

私たち読者はとある通販サイトの購入履歴を見せられる。 淡々と並べられる情報を眺めるうちに違和感を感じる。 読み進めるにつれその違和感は確信に変わり、そして最後は—— 淡々とした情…続きを読む

生成AIを利用した1日38作品の投稿を発端としたこのエッセイ。 イラストの世界においては既に大きな話題を呼んできて定着しつつもある生成AIである（私自身、楽しく利用している）が、そ…続きを読む

主人公はタクシー運転手。タクシーといえば奇妙な出来事がつきもので、彼もまた不思議な体験をすることになる―― この物語。 読者は始終、静かな不穏さに包まれて読み進めることになる。 …続きを読む

読者から募ったお題に応えて書くという、素晴らしく楽しい企画。 お題にしっかり応えて想像以上のものを書いてくださる圧倒的な筆力。 ショート怪談の集であり、怪談一つひとつが違ったテイス…続きを読む

穏やかな夏の日、僕は祖父に終戦の頃の話をねだる。 祖父が語ったのは少年の日、疎開先で過ごしたきょうだいたちとの朝のこと——。 穏やかな朝を切り裂くサイレンと機関銃の音が聞こえるよ…続きを読む

女王様が今晩にも死んでしまうだろうと聞いて悲しく沈んだ王子王女たちに、当の女王様はなんとも変わったお願いをする。 〝早口で「今際の際」と10回言えた者にこの国を継がせる〟と……。 …続きを読む

殺人事件の現場に現れた「探偵」は、並の人間ではあり得ない能力を発揮して証拠を見つけ犯人を特定する。 きっとあなたは「探偵」の正体に驚くだろう。 しかし驚きはそれでは終わらない。 …続きを読む

罪が人となって現れた異世界。そこで催される祭りは、罪と罪が争うために用意された残酷な舞台だった。そこでナンバーワンになった罪は、人間世界で許されるという。 主人公は最強の罪、「殺…続きを読む

シンプルな部屋で目覚めた「あなた」。その状況はさながら脱出ゲームのよう。 だがこの小説の本質はそこではない。 部屋を脱出したとき、あなたが目にするものとは。そしてあなたの選択は。…続きを読む

エルフと人間。全く違う長さを生きる者。
その間に愛が生まれたとき、ふたりは何を思うのか。
最後まで目を離さずにお読みいただきたい。

なぜなら、この作品がレビューの優れた指南書だからである。 私は半信半疑ながらキャッチコピーの「門外不出」という言葉にほいほいつられて読みに来たが、実際この指南書は大いに勉強になった…続きを読む

小さい頃はひな人形が少し怖かった。
日本人形って独特の怖さがありますよね……。
でもこの「実録」には、それとは別の怖さがあります……。

「愛は世界をも滅ぼす」というのは本当のことだったのか。 近代文学を彷彿とさせる口調で語られるこの物語。 結末には一抹の寂しさを覚え……そして筆者による最後の一文にずっこけて笑っ…続きを読む

殺人鬼の父親を持ち、父親とともに人を「かる」ことで生きてきた少女。 「精神異常者」と言われる者の側から見たとき、世界は逆転する。 「正常」「異常」という観念はあまりにも簡単に逆転…続きを読む

美しく、哀しく、読み終えたとき心の奥底に何かを残していくような物語でした。

ぜひご一読を。

平易な文章で子どもの心情を見事に表現しています。 それだけじゃない。読み終わったとき、はっと驚きました。そして胸にじーんと染みてきます。 読み終えてもう一度タイトルを見ると意味がわ…続きを読む

世界の狭間でゆらゆらと揺れるような、言葉と言葉の間の深い深い溝を覗くような。 心臓を掴んで離さない詩たち。 ネット上ではなかなかお目にかかれない。これこそ私が求めていたような詩集か…続きを読む

まずキャラクターが良い。皮肉屋で好色(？)の主人公、その彼に呆れつつ大切に思って守ってくれる最強の相方……。軽妙なやり取りが最高に楽しい。 世界設定、主人公が背負う背景も良い。ただ…続きを読む

淡々としながらユーモアに富んだ語り口。 魅力的なキャラクターたち。（特に主人公の頓着のない性格は気持ちがいい。あと連邦のみなさんのデザイン。地球外生命体という特性をすごくうまく利用…続きを読む

ロボットは機械的に規則に従うだけなのに、心なんてないはずなのに、その行動に少し感動してしまいました。
素敵なお話です。