「記憶 一人称視点」を含む小説

【第一章】 台風が上陸するニュースがラジオから流れていた。安全なバイパスでなく、狭い峠道である旧道は、土砂崩れで道が塞がれてしまう。廃墟のドライブインに集まる主人公たち。陸の孤島…

むかし……母からよく冒険譚を読んでもらった。 〜〜この世界には『天空の迷宮』が存在し、大空には無数のダンジョンがひしめきあっていた〜〜 〜〜遥か空の彼方には、火山が噴火…

終末すら過去になった新世界で、目覚めた英雄と一丁の自動小銃。 記憶さえも時の彼方に置き去りにしてきた英雄は、旅の中で何を見るのか。 文明崩壊後再興した新世界を冒険する、ポストポ…

懸賞が趣味の女性のもとに届いた「当選通知」。 それは、彼女の日常をほんの少しだけ彩る“おいしい幸せ”のはずだった。 毎月届く食材、丁寧な案内文、アンケート。 調理して、味わっ…

補修跡の目立つ、くたびれた宿 「野ウサギと木漏れ日亭」 不愛想で面倒ごとが嫌いと言いながら 世話焼きな中年男性が切り盛りする この宿のウリは 客が労働力を提供することで格安で宿…

高校2年の始業式の日の朝。いつものように仲のいい女子に話しかけた。 「おはよう！」　「……誰？」 その日、数人を除く学校の全ての人間が記憶を失っていることが判明した。 なぜこ…

　あのさあ。「ごんぎつね」って三人称で書かれてるよねえ。それを一人称だと強引に噛みついてくるお魚さんがいたのよ。この作品は、私とそのお魚さんとのやり取りを記憶を手繰り寄せながら綴…

あの駅、あのメール、あの約束。 それは、人生でほんのひとときだけ訪れた、 ささやかで、それでも確かに胸を打った時間だった。 気づかないうちにすれ違って、 うまく言葉にできなかっ…

電子世界に住む月野灯（つきのあかり）は消えた母の手がかりを追い続けていた。ウイルスとして追われながらも、見えない手掛かりを必死に追い続ける灯に待ち受けるものは何か……無数の0を重…

恋をした瞬間、私は『理想の異性』に変わってしまった。 制服も、名前も、記録も、すべてが「最初からそうだった」ことになる世界で── 私だけが、『変わる前』を覚えていた。 でも恋を…

「あなたが忘れても、私はずっと待っていた。」 この森では、死者の声が風になる。 そして、後悔は“影”になる。 記憶を失った青年は、ただ一つの名前だけを覚えていた。 リュカ。…

"ボク"は白い部屋で目覚めた。どうやら階段から足を踏み外したみたいだ。箱庭と呼ばれる街の中、見知らぬ友達とボクは記憶を取り戻す手がかりを探しに行く。そこに待ち受けている真実を、ボ…

【あらすじ】 　地上に神が顕現する時代。 　十六歳になった春、シェールグレイ神聖王国における最高峰の学府、聖都立ティアニーリア神学校に合格した才媛、シエラ・バーンネル。 　入学…

目が覚めると、まったく状況が分からない、わかることは生きたいと思ったこと。 分からないことばかりの世界で薄れた前世の記憶など頼りないもので、ただの一般人だった彼は、必死に考える …

※毎週金土日のどこかしらでゆる～く更新中！（週１更新なので１話あたりの文字数は後半になる程多めです） ――ミツケタ―― その声がどんな声だったか、もう覚えていない。黒い闇に…

　僕は死に、肉体を処分され、重犯罪者管理システム【ヘル・シミュレータ】で目覚めた。 　自分にまつわる記憶の大半を失っているが、おぼろげに自分が殺人鬼だったことは覚えている。 　…

日常が流れ続けるゲレンデで、一人の少女と青年が出会った。それだけの物語。

彼が目を覚ますと、そこは見知らぬ洞穴の入り口。 “私は、誰だ──” 何よりも初めに抱いた疑問はそれだった。 己が何者なのかという原点。 しかし無情にも、それに対して答えを与えてく…

思い出せない記憶や苦しい美意識へ。やり返したい今や希望のない未来へ。切なさを抱えた4人の扉は…… 認知症の女性は、大切な何かを忘れている――(一,箱庭にて) …