「昭和 ガールズラブ」を含む小説

　昭和時代前半の東京に、二人組の女性歌手のデュオが降り立った。某国から、日本での公演に招かれて。 　一人は、日本人の女。そして、もう一人は、星の淡い銀の光を束ねたような、白銀の髪…

　私が生まれた頃には過ぎ去っていた“あの”空気を甦らせたく、作文の授業で書き始めたハードボイルド活劇コメディ「ティラミス」シリーズ。オマージュ・パロディてんこ盛り！読者様ご自身の…

昭和のラブコメが帰ってきました？ う～ん、ドタバタが主食でラブはサイドメニュー程度の構成になるのかな？ ラブをサイドメニューに押しやって始まるラブコメの行く末は？ そして主人公…

昭和初期の時代。 とある地方の村に住む、内気な少女だった「私」は、その村の、曼殊沙華の咲き乱れる一本道に、霧が出て、朝露が多く草木につく朝は、「灰白色の髪に、死に装束の女」が現れ…

時は昭和初期、所は千葉のとある集落。 鉄道の開通により、房総半島は手ごろな避暑地となった。 漁村で暮らす少女・留(とめ)の家にも、東京から避暑客が訪れる。 東京からやってきたのは…

時代は昭和中期。 昔、父方の故郷の村に、里帰りしていた時に会った少女、莉子と、一華は親友となり、父の故郷への里帰りの度に、遊ぶようになっていた。 その里帰りが途絶えて、直接会う事…

大学生の“私”は宛もなく街を歩き、映画館にたどり着く。そこではモノクロ映画が上映されていた。“私”は、スクリーンに映し出された女優に恋をしてしまう。 ※※※百合(ガールズラブ)で…

注：こちらは本編ではありません 御閲覧　御礼 PLAY LISTそれぞれの「話」が曲名になっています。その曲のイメージに合わせた小説に仕上げたつもり（W） 曲の間に読み切れる分量…

高校を卒業した真生は、親友の里枝子に誘われて夜の高校に忍び込む。 昭和最後のころのほんのりGLです。

時は昭和初期。帝都、石墻女学院。 乙女たちが集う学院の名物は、歌唱団〈金糸雀倶楽部〉。 宝石に因んだ称号と寮を与えられ、華やかな共同生活を送っている。 演芸場、式典、ラジオ。彼…

深谷「ねぇねぇ、本庄」 本庄「なんだ、深谷？」 深谷「なんか暇だねぇ」 本庄「まあ、うちら脇役だしな」 深谷「え？そうなの？」 本庄「いや、出番の少なさ考えればそれくらい分かるだ…

少女が狐人と呼ばれる人種で、存在しない人物を探し求める奇妙な活動をしていた。精神障害者は動物霊に憑依されていると考えられ、狐は人を騙すという迷信が広がっていた時代に生きる彼女が、…

　よく「お前は諦めが早い」とか「努力は必ず報われる」とか「すぐ逃げようとする」とか「やってできないことはない」とか「環境が人を変える」とか「神様は必ず見ている」などなど、失敗者に…

実家を出て東京で暮らす浜映子は、一人きりで誰にも心を開かない毎日を過ごしていた。そんな映子は前触れもなく、三歳年下の女子大生・神宮寺由美と出会う。「私は由美が好きだけど、どうすれ…

　幽体の世界『アストラル』 　この世界に住まう者は十五歳前後で前世の記憶を有する仕組みになっている。神官見習い兼テノール歌手の主人公「イヴェール（雪那）」もその一人だ。 　こ…

「えっ、私の新婚時代の住宅事情を聞きたいですって。昭和３０年頃、もう半世紀以上前のことよ」 その社宅は、武蔵野市西窪に戦前に建てられた日本家屋だった。 同じ屋根の下に三組の新婚家…

ハーフあるいはダブルという言葉のなかった時代。 「あいのこ」の従妹を実の妹のように可愛がった。 思春期に従妹は素直に歪み、 私は歪みを内包して互いにすれ違う人生を歩んだ。 最早、…

昭和の春、安井金比羅宮に女学校の友人と共に訪れた14歳の鈴。そこで彼女は、暗い藤色の瞳をした女と出会う。花房と名乗る彼女の首には、首くくりの縄目のあとがあった。無垢な娘と死を願う…

《大正後期〜昭和初期》 　新しいもの好きがゆえ、ときに“破天荒”と称される秋瀬夏南汰は、中性的な容姿に似合わない程の並々ならぬ野心を持った男子である。 　やがてある風潮を変…

「阿修羅だわ」その言葉を最後に失踪した幼馴染。パリ帰りの画学生に、疑いを抱きつつ魅了されていく……独ではヒトラーが総統に、満州では溥儀が即位した昭和9年。女学生杏子の体験した淫靡…