道徳的なことは別として、たまに来ては繰り返し読んでしまいます。景色、封建社会の切なさ、道行の美しさに魅きこまれます。わたしの好みとして最後も語りでいってほしかったので星二つにしましたが、文章も構成も星三つあると思います。
まず感じたのは、第一幕だけでも十分、物語として成立していた点です。しかし、ラストへ至る展開を読み、更に圧倒されました。残酷な運命に導かれ、友や恋仲といった枠組みとはまた違っているが、不思議と強い結びつきを持つ主人公たちは、たった二人という弱き存在であったがために、究極的未来へと希望を託した。切ないのに、気品のある物語で、とても素晴らしい作品だと思います。
なんて救いのない話でしょう。 だけど、だからこそ美しい話でもあります。 残酷な世界の残酷な愛のカタチ――見てみませんか?
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