「囲炉裏」を含む小説

昔々あるところに、で始まる婆様の話は まだ眠くないと頑張る子供を寝かせようとするもので・・

　小雨が降っているのだろうか。 　そう思えるほどの音が聞こえてきて目を覚ました。 　囲炉裏端へと座りお茶を入れてぼんやりとしていると、妻が自室から姿を見せて隣へと座った。 　音の…

十六夜の月明かりの下、今日も今日とて座敷わらし。

母や家族に置いていかれた、火を嫌う雪女の娘と、迷い込んだ女の子の、御伽噺の続き。 ※本文は青空文庫「雪女」（田部隆次訳）から引用しました。 https://www.aozor…

鉢の木を燃やした囲炉裏の端で語られる、中華の戦乱の物語。 十三世紀初頭、中国は大きく揺れていた。草原より出でし、蒼き狼――蒙古。 蒙古の二代目汗・オゴタイは、華南の南宋と手を結…

子どもの頃の話だ。 年の瀬になると家族で実家に帰るのが、わが家の習わしだった。 実家は車を走らせても丸一日かかる地方にあったが、そこで見聞きするものは都会育ちのわたしに新鮮に映り…

2020年5月15日富士見L文庫様より刊行となります！ 大学進学を機に一人暮らしをすることになった真緒（まお）は慣れない家事にてんやわんやしながら、なんとか生活を送っていた。…

ポップコーンの弾ける音に性的興奮を覚える木嶋湊は、より大きな快音を求める。彼の行動は、やがて社会を巻き込んでいく。

十和田の町のとある旅籠の軒下に、托鉢僧が雨宿りに来たものだ。 急に降られた雨に困り果てた彼へ、旅籠の仲居である私は一杯のお茶でもと、旅籠に招き入れた。月並みな会話を交わしながら茶…

　25才になりたての初夏、古く落ち着いた家で、私は細く小さな10才の少女に戻っていた。 　すべてを「見る」というおばあさんから告げられたのは、自分が彼女のあとを継ぐ者として生まれ…

登場人物 ①　…　“人物” ②　…　黒い頭巾を被った演者 ③　…　“外套の男” “狐の襟巻きの女” “長靴の子供” “囲炉裏の老爺” ④　…　“黒い頭巾の男” ⑤　…　“女” ⑥…

◇あらすじ 今、付喪神達の間で日記帳が回っているらしい。その本来の持ち主は、どうやら神烏と契約した人間という話。日記帳を巡って争いも起こるが、日記の書き手たちはこれに対してどう…