「伝奇 中華」を含む小説

〝敵対者の骨を抜き取る〟という絶技を会得した美貌の麗人・楊は、師父の下を離れ旅に出る。 　世はまさに乱世、楊の美貌に群がる賊徒たちを、その異端なる武術で撃退し、旅を続けていた折。…

地上に落とされた仙人・奚宣に弟子入りした妖蛇の素白は、ある日旧知の妖獣に修行で身に付けた仙気を奪われてしまう。仙気奪還のために妖族の市に乗り込んだ素白は、思わぬ師の姿を見てしまい…

蕭の国の辺境、苑都の都督が、黎の国の商人から「猫」と呼ばれる愛でるためだけに生きている動物を貰い受けた。 全10話完結（約9,500文字） 毎週月・金曜日ひる12:07更新予定…

神話に登場する神々が顕現し、世界中の国や人々がその争いに巻き込まれてから五十八年。神に選ばれた人間《真神-スピーラー-》と人工的に作られ異能を得た《偽神-ジャンク-》、そして力を…

迦陵頻伽（かりょうびんが）──極楽浄土に住まうと伝えられる、妙なる声を持つ半人半鳥の存在。 かつて遣唐使だった身の丈七尺半（約225cm）の大男・良嗣（よしつぐ）は、外套で正体…

ハーバード卒のエリートを騙る。中卒の詐欺師、黄宮碧（こみや　あおい）はヒロインの襲撃によって、不幸にも亡くなってしまう。死後、其の詐術が神に認められ。調停者と呼ばれる。神の定めた…

貫胸人――胸に穴のあいた彼らのことを、漢人達はそう呼んだ。 貫胸人の一人である張東春は、漢人に自分達も同じ人間だと認めさせるため、漢の役人になることを志していた。 ある日、そんな…

家族を失い、宰相の養女として水の都・瑚滉に暮らす白秋は、ときおり虎に変じてしまう身体。 虎に心が呑まれていくことに悩む白秋だったが、ある日、辺境から来た司春という若者と出会う。 …

山海經（せんがいきょう）――異国の人や獣や神の様子が記された、秦漢の頃の伝説の奇書。 あるいは、その他中国古典に登場する不思議な存在に着想を得た短編集です。 二千年前も令和の世も…

遣唐使として重職を担っていた吉備真備も今は老い、政敵藤原仲麻呂によって筑前国に左遷されていた。しかし仲麻呂は更なる一手として、老いた真備を殺すべく、二度目の遣唐使として唐に派遣す…

明治に於いて。時代の流れを断とうとした者がいた。其の者の名は、夏宮啓。明治政府の転覆を目論み。狂なる思想家と呼ばれた人物である。処刑後、女神に興味を抱かれ。定められた時代からの脱…

時が来るまで、その小窓を開けてはならぬ―― 神に舞を納める踊り子に選ばれた蓮香は、小蘭婆さんにそう言い付けられる。 さらには、小窓の向こうの神のことを考えたり、興味を持ってもいけ…

　月の綺麗な夜。 　初めてやって来た都で、親に捨てられてしまった琳瑯(りんろう)は、一夜の宿を求めてたどり着いた廃寺で、一人の少女に出会った。 　唐都・長安をモデルにした伝奇…

鳳凰は焔の鳥。鮮紅の血燃え立たせ、すべてを焼き尽くす・・・。愛しき者よ、我が熱き身に抱かれよ！我ら比翼となりて、ともに、悠久を翔けんー！ 遥か千古の、中華を思わせる大地。世は長き…

だいたい300字の短文集です。おもに吸血鬼もの。 洋風・和風・中華風、現代物、いろいろ取りそろえたいと思っています。

曜国で1、2を争う妓楼【嫦娥の盃】で働く見習い妓女、雪玲は妓女として一人前になれる日を今か今かと待ち侘びていた。 人よりも優れた運動神経。 人よりも優れた知性。 将来美人になる…

　東西に長く伸びる大陸。その大陸のほぼ中央に東西を分つかの如く南北を横断している山脈がある。その山脈の中腹に〈霧の国〉と呼ばれる小さな、小さな国があった。その〈霧の国〉で若き君主…

　華國《かこく》、そこは地には人々が住み、天には仙人が住み、人々はせわしなく生を育み、仙人は世を見渡し、統治する。そうして世は廻っていた。鬼《グゥイ》が現れるまでは。どこからと…

『文官も強かったら最強じゃね？』 それまで知力一辺倒だった科挙は、その言葉でデスゲームと化した！ デストラップが張り巡らせられた郷試（予選）を生き延びて集うは賢く、そして武力に長…