だいたい300字の伝奇世界
宮田秩早
第1話 流れ水は、渡れないから
橋の落成式は二十七年前だった。
三百年の歳月に耐える橋だと、川を
以来、様々な人々が往来した。
最初は外交官、次に商人たち。
そして習俗の違いを乗り越え
明日の朝、川の両岸は「流れ水を渡れなかった吸血鬼」のなれの果てで埋め尽くされることだろう。
我々は古来、そうやって罪から目を
そう……母は自死した。死体は父が川岸に運ぶ手はずになっている。
願わくば、妹の死がやすらかならんことを。
それが異国者の運命だとはいえ。
今夜、我が隊はこの橋を落とす。
戦争が始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます