「短編ドラマ」を含む小説

　江戸時代。とある藩に島田正之助という男がいた。彼は齢にして六十、子はおろか孫にも恵まれた傍目には理想の隠居生活を送っていた。 　しかし彼の目にはいつも暗い光が灯っており、時折…

もしかしたら救われるのかもしれない。

第七回こむら川小説大賞参加作。 「私」が救われたのは、「君」という光。 そして希望。 私の、「大輪の花」。 主人公が、君に贈る言葉とは。

感情表現が希薄となったとされる現代社会で、一つの法律が可決された。 それは、感情輸入法。 例えば感情の薄い人間が怒りたくなったら、感情豊かな人間から怒りを借りることができる。 こ…

夜橋を渡るあなたが見たものとは。 カクヨム百物語　参加作品 真実度合い：60%

天才の妹「花」を持つ「愛」、彼女は劣等感から妹ヘ向ける感情を拗らせていく、彼女は何を思い何を考えるのか。彼女の中で展開されるドラマを書いた短編小説。

言葉が喋れない、失語症の少女は夢の中でなら自由に喋れることに気がつく。内なる欲望を現実世界に投影し始め、段々と夢の世界にのまれていく。しかし、ある出来事から夢の世界が崩れ始め、少…

合法ロリ人妻バレリーナと、彼女に目を潰された限界バレエダンサーの百合小説です。 バレエの美と苦悩が交錯する、切なくも力強い物語。 「第七回こむら川小説大賞」参加作品です。 お…

きれい好きな清掃員が見たものとは。 カクヨム百物語　参加作品 真実度合い：30%

お盆休みの中盤の十五日。 一人朝食を摂っているとキッチンに落ちて溶けた氷の水溜まりが目に入った。 私はそこから家族の記憶へと思いを馳せる。 過ぎ去った人々への追憶から私自身の足…

新帝国劇場。 大地震からも奇跡の復活を遂げ、栄華を誇った大劇場は、戦火によって無残に破壊された。 かつて新帝國劇場で何度も舞台を踏んだ往年の大俳優・大崎常彦と、劇場マンとしてそこ…

前世の記憶を失った魂である「俺」は、「花龍」と名乗る白い龍に出会った。 「花龍」はここを「あの世とこの世の狭間」だと説明し、「俺」にこう頼む。 「私と一緒に現世へ降りて、躯龍を…

12/1の文学フリマ東京で単著として頒布予定の作品です。 どんな紙の本になるのか、お楽しみに。

『成仏師』 それが私の仕事だ。 成仏師とは名前の通り、この世に未練がある死者を成仏させることが仕事だ。 死者を相手にしているのだから、もちろん私は“彼等”のことが視える。

実家の整理にやってきた裕二。押入れを片づけていると奥から銀色のお菓子缶がでてきた。隠すようにしまわれていたそこには、一冊のアルバムが入っていて――。過去を語らず逝ってしまった母。…

自分よりも年上の女性を主人公にしたくて書きました。 書きたかったものと出来上がったものがだいぶ乖離していて、自分の中の満点とはほど遠い出来ですが、取り敢えず今の己の力量の記録と…

高校二年生の水田夕生(みずたゆうき)。一人で下校していると、彼が思いを寄せているクラスメイトの白坂碧(しらさかあおい)に声をかけられる。背伸びした二人が織り成す、ひとときの暖かい…