「あやかしもの」を含む小説

　西園寺小花は、生まれたと同時に母親を亡くし、母方の祖父母に育てられた。同じように二つ年上の兄、千隼も小花と一緒に祖父母に育てられていたのだが、西園寺グループの社長であり、父親で…

プロデューサーのツノダが憲兵隊に連行された。容疑はなんと殺人。 事件は国家情報保安局も絡む大事件に発展していく。

いつの世も人は魔に興味をもつ。迫田龍牙（さこだ　りゅうき）。彼もまた、その１人だった。しかし、幽霊を見ることや肝試しをすることに対する興味ではない。龍牙が興味を持っているもの。 …

あやかし探してます！ 木乃香は、姪の花奈（狸）のあやかし修業のため、花奈の師匠となる黒狐を探している。 「その黒狐師匠は、不良で、乱暴者で、凶悪で素行不要で、どうしようもない…

　一日が二十四時間ではないと識っているのは、どれだけの人数だろう。 　世界が黄昏刻に染まる時――その時間は始まる。 　闇に潜み、襲い、喰らう存在が跳梁跋扈する世界。 　そんな中を…

さざんかの垣根、その角を曲がった先では何が起きているのか。

私と不思議な少年の夢の中での出会い

世の中には周りと同じ様に生きることがどうしても困難な人もいて、それはなかなか理解されないことです。そんな苦痛を感じながら生きていた主人公が「第二の人生？」を地獄で過ごすお話です。

西野安綱は３０代半ばの理学療法士だ。 日々の業務に真面目に取り組み、患者さんの為に奔走するが――ある日、神社で意識を消失してしまう。 次に目が醒めれば――。 「――若い頃の自分と…

《短編小説》この世の者ではない、美食家と称する謎の美青年。 そんな彼に勝手に命を救われ、本当の意味で死を受けいれた時に楽に殺してもらう代わりに魂を食べさせるという契約を交わしてし…

　輝飛の表の顔は高校生。裏の顔は——立てば鬼神、座れば閻魔、歩く姿は破壊神の荒くれ者——と人間を餌としか思っていない妖にさえ恐れられる霊媒師。 　そんな彼が、顔も知らない依頼人…

平々凡々な私は今、眩しい光の下に立っていた。 ここから、すべてを変えられるのだと信じて。

富田縁は今年の『嫁入り行列』の花嫁に選ばれた。 五歳の頃に経験しているから二回目。 しかも三十六歳で、男で、バツイチ。 祭りの花嫁っていうのは処女性が大事だとかいわないか？ しか…

ヨガと四葉のクローバーで綴る幸福論

この世から忘れ去られようとしている神様を迎えに行くーーそれが八百万人事課の仕事。たくさんの神様との出会いが、少しだけ人生を変えていく。

　時は1917年、日本某所の山奥に位置する村が全焼した。後の調査団によって分かったことは一つ。生存者は居ないということだけだった。 　世界を破滅へと導いた男は言う。 「あの日から…

戦国時代。 密偵と疑われて牢屋に閉じ込められた尼僧を気の毒に思った百合姫。 座敷牢に食事を持っていったら、尼僧に体を入れ替えられた挙句、尼僧になってしまった百合姫は処刑されてしま…

　質屋・籠（こもり）は、誰かの思い出が詰まった品を担保に、金銭を融通する質屋だ。 　ただし、その品が質流した場合、所有者は受け取った多額の金銭と引換に、その品にまつわる思い出を全…