死んでも生きられたら
@mmn00
第1話 ようこそあの世へ
嫌になる。
毎日毎日心をすり減らして、過ごすのが当たり前の日々。生殺しの拷問と何が違うのだろうか?
ここは良い。何もかもが見渡せる…気になれる。あの世への手土産にこの景色を持っていこう。
もし生まれ変われたら、今度は上手に生きられるだろうか。
そう思ってビルから飛んだ。
その日俺は…死んだ。
…はずだった。
「おい、見ねえ顔だな!新入りか?」
声がして目を開けると
なんと傘が喋ってるではないか。
「はあ!?」思わず声が漏れた。
一本足で立ち、目が一つで、口からは長い舌が出ている。見た目はまさに妖怪、化け傘そのもの。
そんな俺のことはお構いなしに化け傘が喋り出す。
「驚くのは無理もねえよ。
ここは“地獄”だからな!」
(何言ってんだコイツは…)
そう思って辺りを見渡すと、見覚えのない景色…しかも、火の玉?ぬりかべ?いったんもめん?らしき物体がそこら中にフラフラと…。
「おめえが死んだ理由は知らねえが、
気を失ってる間に閻魔様に地獄に送られてきたんだろうよ。」
(!そうだ。俺はビルから飛んだはずなのだ。あんなに高い場所から飛んで生きているわけがない。)そんなことを考えていたらあることに気付いた。
「!?なんだこの服。頭にもなんかついてる!?」なぜか俺は着物を纏い、頭にはなんと、ツノが生えていた…。
色々考えた結果めんどくさくなった俺は、
どうせあのクソみたいな日々に戻ることはなさそうなので、無理やり納得することにした。
「そっか。俺は死んでも生かされるんだな(笑)」しかも人の次は鬼ときた。
「なんだ嬉しそうにして。変な奴だな。」
この上なく変な傘にそんなことを言われたので
「お前には言われたくねえよ。まあよろしく。」
そうして俺の地獄生活が始まった。
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