「輪郭」を含む小説

アトリとキリエはおさななじみ。 特殊な力をもつアトリと、そんなアトリにだけ冷たいキリエ。 二人の変わらない関係と、変わってしまう予感の話。

世界の輪郭が揺らぎ、頭上の枝葉から木漏れ日が降り注ぐ曖昧な世界に俺は居て、目前には一人の少女が立っている。 響く優しい声音は僕を包み込んでいく。 「ねぇ、あなたの夢は何？」 少女…

パステルカラーでありながら輪郭のはっきりした短編集を目指します ふわっとしたファンタジー、日常の１コマなど ※がついているものは百合要素を含みます

ファンタジーを書くにあたって、 その輪郭線を描いている途中です。 壮大な世界観を作り上げるには、 詳細な諸設定が必須だと思います。 その上で、描きたいファンタジー世界の数千年…

「なんぞ勘違いしてはるようやけど」 すう、と眼鏡の奥、鮮やかな翠の瞳が細められる。 「永咲館の花を、あんたさんの田舎におるような淫売酌婦の類と同じや思うたら大間違いでっせ？　まし…

　夏休みも終わり、蒸し暑さが残るなか登校する私。振り向くと風景が膨らみ、私にそっくりの「わたし」がいた。逃げるように家路を急ぐが、体はどんどん小さくなり、その度にわたしは増えてい…

〈招来者〉である私、レナート・ベルマンは、ひとりの青年と秘密を共有することにした——。 分たれた秘密は過去も現在をも呑み込み、やがて一つの深淵へと向かっていく。 夕陽に融けゆ…

作家を志望する大学生Sは、『Key』の生み出したアニメを観て、自身も創作に携わるという漠然とした夢を抱く。 しばらくして、ライトノベルを投稿し始めるが、反響はそれほど良くなかっ…

男は太っていた。 「顎の下に肉が付き過ぎて、顔の輪郭が無くなりました…」

自身と世界の境界に言い知れない違和感を感じながらも、その正体が何なのか分からないまま鬱々と平凡な高校生活を送る守。 ある日、守は誘われるがまま観に行ったバレエの公演でダンサーの蜜…

暑い夏の日に、ほんの少しだけ友達の輪郭を掴む。 そういうお話です。

豊国自動車に勤務する雄二は知り合いの高齢者の暴走事故に遭遇する。事故の原因はアクセルとブレーキの踏み間違えという分析だったが、その結果に納得出来ない理紗と一緒に雄二は真実に迫って…

僕の町からは大きな山が見えて、冬になると真っ白に姿を染める。 風花という言葉も、なにもかも僕が知る前にあいつは当然のように知っていた。

交通事故に遭い、下半身不随になってしまった兄。それでも希望を捨てきれずに立ち上がろうとして車椅子ごと倒れるという行動を繰り返していた。そんな兄の姿を見ていることしかできない弟が、…

語る者達が集まる街「ヒストリア」。 この街では四年に一度、三日三晩に渡って盛大に行われる特殊な祭りがある。 祭りの名は「フォルクローレ」 一年の針が四回まわり秋の輪郭が見え始…

まどろみ

タイトル変更のため中止 　それはもう何日も飼い葉桶の汚れた水しか、それさえもほんの僅かしか口にしていなかった、空腹に耐え手足は枝のようにやせ細り、骨の輪郭が見えるほどに頬がこけた…

”世界の輪郭が急速に歪むの” そういった彼女は消えていく 夢であって欲しいと思う現実 そんなものが世の中にあっていいものか

2022年12月24日、深夜。或る一人の少女が、突然前触れも無くこの世を去った。――「彼女」と繋がりのあった様々な人間たちが語る言葉から、「彼女」と「彼女」を追いかけていくこの世…