「輪郭」を含む小説

俺は、金瀬一郎（かなせいちろう）。三つの大学院で脳科学と人工頭脳それにロボット工学の博士号を取得。 　俺には彼女が居る。桐生環奈（きりゅうかんな）。髪の毛が長く、大きな切れ長の目…

山本麻里子は大股で歩いていた。怒りのオーラを感じた通行人は無意識に道をあけ、邪魔のはいらない道をどかどかと進んで行った。 お怒りモードであっても麻里奈の美貌に陰りはない。彼女は…

大学生活を夢見て上京した「ボク」を待っていたのは、コロナ禍の静まり返ったキャンパスと、孤独な日々の繰り返しだった。誰とも深く関わらないまま過ぎていく時間の中で、たどり着いたのが「…

「そんな顔しないでもいいだろ？　少しぐらい話しを聞いてもいいじゃねぇか、お前にとって無関係な話とも限らないしな、俺が殺そうとする男がアンタの父親や兄弟かもしれないとは思わないのか…

このエッセイは、スマートフォンでの予定管理から、紙のスケジュール帳やカレンダー、ボールペンを使ったアナログな管理方法に戻した経験を紹介している。スマホだと他の情報に気を取られ、予…

話したいこと、聞きたいこと、それらをもう伝えられないと実感するとき、喪失は輪郭を帯びて影を伸ばす。 失恋、喪失をテーマにした1000文字小説(超短編)

私の想いを乗せた透明な糸は、物体の輪郭と輪郭を軽やかになぞっていく。世界を駆け回るその糸の行き着く先は、いつもビビヌッコアユナの元だった。

　「毎日、同じ道を歩き続けている。冷たい朝の空気が、少しずつ体を目覚めさせる。周りの人々は、何もかもが決まっているように動いているけれど、僕にはそれがまるで他人の世界のことのよう…

綾乃と亮介シリーズから、綾乃の日常に焦点を当てたスピンオフ第一弾。 友人との御朱印巡りの旅が、ちょっとしたハプニングによって全く予想外のものになっていくストーリー。 真面目な…

あらゆる次元、世界に栄える知的生命体の文明は、過剰に発展してしまうと“世界の輪郭”をゆがませ、常識ではありえない存在、現象を引き込み、最終的に自壊してしまう。 監視機関とは、そう…

ある日突然、「物の輪郭線を剥がす」異能に目覚めた会社員の主人公は、とりあえず公共物を壊したり他人の金品を奪ったりと自堕落な暮らしを始める。やがて、同じような特殊な技能に目覚めた人…

見える光、見えない光。 世界を隅々まで照らす光だからこそ、無視したくてもできない存在かなとも思いました。 どこにでも在ってどこででも出会うので、 何ででも詠めそうで でも輪郭が曖…

失った存在の輪郭をなぞる時間について。

「私」から「あなた」へ。 夕焼けの坂道を共に歩く「私」と「あなた」。同じ空を見上げていながら、どこか触れられない距離が存在することに気づく。まるで星座のように、輝いてはいるけれ…

ヨルシカ『春泥棒』より、タイトルを拝借しました。永遠とそれに類する全てのさよならに春を捧ぐ。

秋風の吹く、満月の夜だった。幼馴染の手を固く握って、行列の中をひたすらに走っていた。手のひらから伝わる体温が熱い。彼女は真夏の太陽のよう。鬼たちの間をするする駆ける、かわいい背中…

わけがわからないよ─── マシュマロお題： 新幹線に乗って東京から博多まで行けば車内の人の時間は約10億分の1秒だけ遅れる。それは新幹線の外では時間が10億分の1秒ほど早く進む…