「清らか」を含む小説

掬い上げたものが掌からぼろぼろと零れ落ちるようにわたしは人を嫌いになっていく。 死んだ母の一方的な願いと、わたしの胸のうち。フィクションです。

不死鳥はずっと、死を求めていた。 華仙教において崇拝の対象とされた少女は、期限付きの命の中で安寧な『死』を求めて聖都を駆ける。 華仙教(かせんきょう)が聖都、月天(げってん…

≪ススキの家の住人≫ ・星村透（14） 　主人公。名前と記憶をなくし、自分が何者なのか、わからない。 ・アキ（14） 　ススキの家に住む少女。裁縫が得意。 ・おじいさん（66） …

※全二話+おまけ。 　冒険ギルドで働くシャーリーはある日、婚約者の騎士･ルドルフに呼び出され、婚約破棄を告げられる。 　どうも聖夜祭の聖女に抜擢された女性に惚れたから別れたいそ…

清々しい朝を迎える前のちょっと憂鬱な時間を過ごす中年の小話

外科医の刀麻が、さらわれた先で出会った混血女性は、「清らか」を意味する名前の情婦。 死別した恋人を今も心の何処かで忘れられずにいる彼を動かしたのは、その激しい母性だった。 この…

人好きのする性格を買われて「男娼」の役目を任された弟アレン。 四角四面な執事の兄レスター。 病弱なお嬢様クララ。 そして、悪魔。 余命宣告された伯爵令嬢クララの最後の望みが「恋…

「白薔薇令嬢」は、ユニコーンの世話をするためだけに育てられ、ユニコーンのいる箱庭に閉じ込められる。恋をできない彼女は「生贄」でもあった。 けれども彼女は言う。 「あなたのせいで、…

祖父の意思と仕事を引き継ぎ、海辺のコテージに住むギル。 彼は毎日のように波打ち際を歩き、探しものをしていた。 そんなある日、超新星爆発のために多くの宇宙船が緊急寄港する。 翌朝…

とある世界のとある大陸に、豊かで清らかな水源を抱える都市がある。その大陸の湧水の半分を占める水源に、人と財は集まり、山と栄華と都市を築いた。 絢爛なる栄華に濡れた水の都。 そう謳…

　蒔田皐醒は、共に在る誰かのことを歪めてしまう。 　……少なくとも皐醒自身はそう自覚して生きているのだった。 　小学校時代、皐醒をいじめの対象としていた男は高校で再開した皐醒に、…

陰鬱な大学生活を送る菅谷貴幸。中学・高校といじめられていた経験から、他人に対しての心の扉を閉じていた。そんな時、同じ学年の山本優希に出会い、平穏に保ってきた日常が変化し始める。 …

【「びっくりするほどユートピア」をいかにかっこよく書けるか】という自主企画に寄せて書きました。まさかの三作目です。ホラーコメディです。

（リュウジ×角川食堂×カクヨム　グルメ小説コンテスト参加作品） 　東京・上野の街角にはたいそう繁盛しているレストランがある。 「拉面炒饭团子食べまくりの館」だ。そこは中華料理店で…

【無菌室の中、世界から隔離された彼が、気まぐれに外の世界からやってくる私に言う。「化け物の、最後のお願い、聞いてよ」】 まるでゾンビのように肉体が腐っていく病にかかった男性と、そ…

　ミュージシャンを志して家出したぼくは、ある夜、同じく家出してきた玲に出会い、ひと目で恋に落ちた。歌手になりたい玲をマスターに紹介するが、太っているという理由で撥ねられる。玲の歌…

私は大丈夫。いつだって清らかで、私を悪く言う人はいない……はずだったのに。 すみません。自分で意図した題名とまったく違うものを付けていました。自身でも何故間違えたのか…

聖女の交代などをきっかけに、しょう女と共に暮らすことにした、いっぱん人こと『彼』。新聖女の如く麗しく清らかなしょう女に、彼は基本優しく時におぞましい自身の秘密を少しずつ打ち明ける…

ひどく純粋で清らかで愚かなその欲望は、もう前を向いて歩くことを困難にしていた。 執拗に美化された過去は不自然な美しさを許しはしない…