「遺影」を含む小説

私は語ります。人によってはひょっとすると笑い飛ばされるかもしれない下らぬ話ではありますが、どうしても心に食い込んで拭い難い不安、あさましい打ち明け話なのです……。

芸大を中退した私は、絵を描いて日銭を稼ぐ生活を送っていた。ある日。彼女のもとへ老執事タカギが訪ねてくる。主人であるクドウ・ミツハルの肖像を描いて欲しい。詳細を聞くためにクドウ氏の…

「殺伐感情戦線」の「承認」参加作品です。 パートナーの緋ナを事故で失った「わたし」。仏壇へ会いにいくと、そこには生前の人格を模した「バーチャル遺影」の中の緋ナがいた。

高校二年生の菊池　日向（きくち　ひなた）は人生に絶望し飛び降り自殺をしようと手すりに手を掛けた時、同じクラスの辻崎　叶（つじさき　かなえ）に声を掛けられる。 デッサンのモデルにな…

「さがしているひと」彼の印象はそんなイメージだった。そして私も、さがしているひとり。遺影の彼は、まだ何かをさがしているような、遠くを見ている。 ※Writoneでも、音読いただい…

高校の入学式の朝、久保は歩道橋の上で出会った少女に写真を撮ってほしいと頼まれる。一目で彼女に惹かれ、久保は彼女との再会を夢見て、一眼レフについて調べ始める。そして、高二のクラス替…

高三の始業式の前日、『いんちょ』こと秋月桜介《あきづきおうすけ》のスマホに親友の西から一枚の写真がメールで届く。それはクラスの集合写真であったが、奇妙なことに写真の日付は一週間後…

遺影から女が出現して……。

息子の小学卒業の日。式に先立って、もう一つの卒業式が別室で行われた。ひとりの遺影と共に。 初出2018.3.18、小説家になろうにて。

従兄の訃報を聞き帰省した昌也は五年前の従兄の言葉を思い出す。従兄はなぜ死んだのか。その答えを知っとき、昌也は絶望感に苛まれる。

「夏だから海岸に行こうよ、何の用もないけれど。それでかき氷を食べるんだ。それから暑さで何もかも曖昧になって、それから私は私をなくしていて、気が付くと自分の遺影を抱えていたり、ね？…

自信科クリニックにやってきた患者。 自身を取り戻すためにあれやこれやと試してみるが… 全然治る気配がないんだけど！？ ↓前回の投稿↓ 『遺影撮影会はまだ終われない』 htt…

自分の遺影が変な写真なのはぜったいイヤ！ キレイな自分を収めたい女は遺影の撮影をはじめる。 いつから1度で満足すると錯覚していた……？ ↓前回の投稿↓ 『俺にかまわず……早…

　大嫌いな部長の背後、何気なく、偶然を装いデジカメ画像に鬱陶しいポーズを決めて写り込む。それが上村のくだらなくもささやかな復讐行為。 　社員旅行で、忘年会で、上村は部長の後に写り…

大衆演劇。 というと「金」「女」「色」「欲」。 そんなイメージがあるでしょう？ 確かにそれはそうだけれど、 けれどもそれはそうじゃない。 これは実際にあった話をモチーフに作りまし…